住職に聞く!第二十一回 フルコースのディナーには、スープが付いてくる

和田寺の住職は、タオ指圧/気心道の創始者、音楽家など、様々な顔を持つ遠藤喨及(りょうきゅう)さんです。

喨及さんにインタビューして、さまざまな質問に答えてもらいます。
一体どんな言葉が返ってくるのでしょうか・・?

遠藤 喨及
東京に生まれ、少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職、タオ指圧/気心道創始者、ミュージシャン、平和活動家、ゲーム発明家など、さまざまな顔を持つ、タオサンガ・インターナショナル代表。 1990年頃より、北米各地、ヨーロッパ各地、中東、オセアニアなどの世界各地で、タオ指圧、気心道、また念仏ワークショップ等を行い始める。 また、それらの足跡によって、世界各地のタオサンガが生まれ、現在、各センターは、仏教の修行道場、タオ指圧*気心道などの各教室、海外援助を行っている。 遠藤喨及個人ブログページもご覧ください。 http://endo-ryokyu.com/blog/


第二十一回

住職:前回の話に戻りますね。かつて僕が行っていた、「霊的な気」を人に及ぼすことは、封印してやらないようにしていたんです。
ところが、証診断に開眼してから十数年後、経絡診断は、まさにその「霊的な気」が元になっていたことに、気づいたんです。

――封印したつもりでいたそれを、経絡の診断治療に使っていたということなんですか?

住職:まあ、そんなところかな。

――経絡を見る証診断からタオ指圧は生まれたとお聞きしました。

住職:はい。

――ということは、タオ指圧のすべての体系や技法は、「霊的な気」(仏さまとの融合)が土台となって生まれたと理解していいんでしょうか?

住職:はい。仏の大愛による融合体験なくして、タオ指圧は生まれなかったのは事実です。

――ところで確認なんですが、住職の行っていた「霊的な気の作用」は、“仏さまの大愛で相手を包む”というものでしたよね。

住職:はい。

――でも私がタオ指圧で教わった、気の融合のワークは違いました。
それは、“相手の人生の最善を願う”というものでした。両者は、違うものではないのですか?

住職:ああ、それは、タオ指圧では、宗教的表現をなるべく取らないようにしたので、無意識に“相手の最善を願う”ことによる気の融合を指導したのではないかと思います。

――両者に違いはないのですか?

住職:深さという点では圧倒的に違いますね。仏さまとの霊的な融合は、気の融合よりも、よほど深いものです。

――では、どうして薄めて指導するようなことをされて来たんですか?

住職:先にも述べましたが、自分でも、まさかタオ指圧の土台が、仏さまの大愛融合体験にあるなんて、長い間気づかなかったしなあ、、、。

――なるほど。で、話を戻すと、霊的な融合は、気の融合を含んでいるのでしょうか?

住職:はい。気の融合は、仏さまとの融合の一部とも言えます。

――やはり、そうですか。

住職:ただ、話を蒸し返して申し訳ないですが、気のレベルは、仏さまとの霊的融合に比べたら、とてもとても浅いものです。
フルコースとスープだけ、というぐらいの違いがあります。

――へぇー!

住職:例えば、タオ指圧でななく、一般向けの気のワークショップをやったりすると、「気のことを教えて欲しい」と言ってこられる方がいらっしゃいますよね。
だから今の僕は、「どうせなら仏教の修行しませんか?」と、つい返事してしまいますよ。

――なるほど。

住職:フルコースのディナーを用意している、三ツ星のフレンチレストランに出かけて、「スープだけ」注文するのを黙って見ているというのも、何ですから、、、。

――霊的融合が気の世界を含むなら、一挙両得ですものね。

住職:そうそう。フルコースなら、当然スープもついて来る!

―続く―