チルチルとミチルは、旅に出ずして幸せに気付くことが可能だったと思われますか?

住職の人生相談コーナー

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遠藤 喨及
東京に生まれ、少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職、タオ指圧/気心道創始者、ミュージシャン、平和活動家、ゲーム発明家など、さまざまな顔を持つ、タオサンガ・インターナショナル代表。 1990年頃より、北米各地、ヨーロッパ各地、中東、オセアニアなどの世界各地で、タオ指圧、気心道、また念仏ワークショップ等を行い始める。 また、それらの足跡によって、世界各地のタオサンガが生まれ、現在、各センターは、仏教の修行道場、タオ指圧・気心道などの各教室、海外援助を行っている。遠藤喨及個人ブログページもご覧ください。
http://endo-ryokyu.com/blog/


◎小学1年生の息子がトイレの戸を開けっぱなしにしたり、スリッパが散らばっていたり、電気をつけっぱなしにすることに対して、注意しているうちに怒ってしまい、泣かせてしまいます。
またやってしまった(怒ってしまった)と毎回後悔するのですが、繰り返してしまいます。どうしたらよいでしょうか?

僕の見立てでは、息子さんは天才です。
天才として開花するか、それとも子供の内に芽が摘まれてしまうかは、お母さんがどう関わるかにもよると思います。
アインシュタインなどは、完全に息子さんタイプだったと思います。
でもアインシュタインのお母さんは、「現実を忘れるぐらいあんたは天才なんだ!」とかえって褒めていたぐらいだと思います。
(ユダヤ人のお母さんは概してそうですので)

息子さんをこのままの状態で天才として開花させるのか?
それとも、息子さんに電気代をセーブさせたりスリッパをきちんとさせて、才能の芽を摘むのか?
お母さんとしては、どちらが良いですか? 

神様は、天才は日常のことなんか多少できなくても仕方ないよね、と思っています。
それに子供って、親が愛して褒めていたら、間違いく良い子に育ちますよ。


◎ナポレオンは3時間、タレントの武井壮は45分だそうですが、人間の適正な睡眠時間はどのくらいでしょうか?

人間一般の適正なんてあるはずない、と思いません?
人それぞれなんだから、さ。


◎もと大家さんとお金の問題で揉めています。
多額ではありませんが、返すつもりは毛頭ない様ですし、悪い噂も耳にします。
司法に訴えても、戦ったほうがいいのか、諦めたほうがいいのか迷っています。

「敷金を返してくれない」というよくある話ですね。
このサイトにもいろいろ掲載されているようです。

「揉めている」ということはすでに交渉したということなのでしょうかね? 交渉でラチが開かないようなら、簡易裁判所の調停か、簡易裁判ですね。

区役所などでやっている無料法律相談などで、調停のやり方を教えてもらうと良いでしょう。
このままでは他の方も被害に合うことになるので、頑張って敷金を取り戻してください。


◎童話「青い鳥」は身近な幸せに気付かず、遠くに答えを探しているうちに幸せを逃がしてしまうというストーリーですが、主人公のチルチルとミチルは、旅に出ずして幸せに気付くことが可能だったと思われますか?

多くの人が、頭ではわかっていながら実際には失ってみないと本当にわからないということが往々にしてあると思います。
後になって、自分はなんてバカだったのだろう、と・・・
身近な幸せの真の価値を実感しながら生きるために、どうしたらよいのでしょうか?

昔話で旅が出て来たら、それは心の旅のことですよ。
自分や家族だけの狭い世界などに住まず、日常を壊すような心の旅に出ましょう。
日常に埋没していては、身近な幸せなどに気づくことはありませんから。


◎「目をつぶると、こわいものが見えるから、目をつぶらないっ!」
そう言ってお昼寝を拒否る娘への対応を教えてください。T_T 

不思議でならないです。
僕は“なぜお母さんは、「この子には、一体どんなものが見えているんだろう?」って興味を持たないんだろうか?”って思うからです。

子供に何が見えているのかは、お昼寝をするかどうかより、よほど重要なことではないでしょうか?
そりゃ家事もあるでしょう。
日々、お忙しいことでしょう。
ちょっとでもお昼寝してくれたら、その時間だけでも他のことができるのに、と思うことでしょう。
それに、育児書にだって「お昼寝は大事だからさせなさい」と書いてあるかも知れません。

でも、子供の心の世界に大人がどうつき合うかは、その子の将来に影響するのです。
子供は皆、この世に生きる怖さを感じています。
それが言語化できないので、目を瞑るとそれが幻影という形を取って見えてしまうのかも知れません。

でも、そんな子供の心の世界に、大人が一緒に入って行ったら、子供は安心するので、この世に生きる怖さがなくなるのです。
そこで僕なら、まず興味津々でインタビューしますね。
「どんなものが見えるの?」とか、「どういう風に怖いの?」とか。
あるいは、お子さんは、僕ら大人なんかには見えない、別次元の存在を見てるのかも知れないですよ。
だったら、そんなすごい子の話を聞けるなんて、滅多にないチャンスですしね。

きっと僕だったら、「その話聴かせて~」とせがみ、絵なんか描いてもらったりします。他のことなんかそっちのけで。
そして「見えるもの」にまつわる物語を聞かせてもらいます。
もしかしたらお子さんも、そうして欲しいのではないかな、と思います。
「子供はあの世とこの世を行ったり来たりしている存在」(河合隼雄の著書より引用)なので、子供が実体験しているあの世の話を、周囲の大人が聴いてあげることで、子供はだんだんこの世に着地していくのだと思います。 

お昼寝しなくても、良い子に育てば良いんじゃないですか?