心の輝きこそが理想の未来を実現する ―チャトランガ篇(13)―最終回

住職に聴く!

和田寺の住職は、タオ指圧/気心道の創始者、音楽家など、様々な顔を持つ遠藤喨及(りょうきゅう)さんです。
喨及さんにインタビューして、さまざまな質問に答えてもらいます。
一体どんな言葉が返ってくるのでしょうか・・?

プロフィール

遠藤 喨及 東京に生まれ、少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職、タオ指圧/気心道創始者、ミュージシャン、平和活動家、ゲーム発明家など、さまざまな顔を持つ、タオサンガ・インターナショナル代表。 1990年頃より、北米各地、ヨーロッパ各地、中東、オセアニアなどの世界各地で、タオ指圧、気心道、また念仏ワークショップ等を行い始める。 また、それらの足跡によって、世界各地のタオサンガが生まれ、現在、各センターは、仏教の修行道場、タオ指圧*気心道などの各教室、海外援助を行っている。 遠藤喨及個人ブログページもご覧ください

未来社会を生きるための智慧

 

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クリスマスに東京タオサンガセンターで開催された「スピードチャトランガ」トーナメント

 

 

 --前回の人工知能やロボットの話は、けっこう衝撃的でした。
もしかしたら私は、“人間と人工知能(コンピューター)の違いはどこに
あるのか?”という問いに向き合いたくないのかも知れません。なんとなく、人工
知能に自分の存在意義を脅かされるような気がするんです。

住職:その直感というか、本能的な拒絶反応は、どんぴしゃりで的を
得ている感じがしますね。というのはホーキンズ博士が、BBC(英国放送協会)
のインタビュー(2014年12月2日)で、「完全な人工知能の開発は
人類の終わりをもたらす可能性がある」と語っているんです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3033312

--そうかー、私が感じている得体の知れない不安感も、あながち思い込みや
気のせいではなかったんですね!

住職:はい。

--私の疑問は、「人間存在には本来“不可解さ”や、何らかの神秘が
あるはず。でも人間が人工知能(ロボット)と共存した場合、それらは
いったいどうなるんだろう?」というものでした。

住職:なるほど。

--また、ここで私が言っている“不可解さ”というのは、人間はカルマを
抱えているということです。

住職:ほう、、、。

--そして、そのようなことを考えていると、「人工知能の発達によって、
人類が精神的に大きく成長しなくてはならない事態になる」という気がします。

住職:そうですね。

--人工知能の開発について考えると、私の中から、“ちょっと怖いな”、
という気持ちと、“これは必然なんだ”という思いが、入り混じって出て
来るんです。同時に、実際のリアルな人間型ロボットと、チャトランガで
対戦してみたい! とも思うんです。何だか面白そうな感じがするんで。

住職:それもまたどんぴしゃりの発想ですね。
というのは、前回のインタビューで僕は、「近い将来、人間はあらゆる
思考ゲームでコンピューターに勝てなくなる。でも、人間がコンピューター
に唯一対抗できる思考ゲームとして、チャトランガは残る」、とお話ししました。

--はい、凄いことだと思いました。

住職:これはチャトランガが偶然性と理詰め、つまり直感と思考が融合した
人生シュミレーション・ゲームだからなんです。

--はい。人工知能に直感はないですものね。

住職:先にも述べましたが、遠くない将来、人類は生活上のあらゆる判断を
コンピューターに委ねていくようになるでしょう。そんな中で、人間と
ロボット(人工知能)が対戦するチャトランガの試合は、人工知能が主導する
社会における人間の存在意義、または人生の意味を象徴的に表す行為になると
思います。

--そうなんですか!

住職:はい、これについては、後でまた話が出ると思いますが。

未来を前提として生きる

--お聞きしていると、チャトランガはゲームを超えたゲームで、人類に
とって必要な「道」の1つという感じがしてきます! それにしても、
住職のそのような思考や発想は、一体どこから生まれて来るのですか?

住職:僕は、チャトランガプレイヤーの一人ですからね。未来を前提として
生きているようなところがあるんですよ。

--「住職に聞く/チャトランガ篇(4)」に出で来た、現在と未来の逆転で
ものごとを考えるということですね。

住職:はい。

--そういえば、住職の著書『<気と経絡>癒しの指圧法』(講談社+α新書)
に、「これ以上の指圧の心技は、500年先まで出ないような気がする」と
いう下りがありましたね。

住職:僕はそんなにエラくはないですが、別に僕に限らず、社会にイノベー
ションをもたらすような人たちは、皆、未来を前提にしていると思いますけどね。

--というと?

住職:古いところではエジソンとかガンジーとか。また最近の人ではスティー
ブ・ジョブスとか、、、。100年、200年先を考えて行動している、ソフト
バンクの孫さんなんかも、そうではないかと思います。

--ああ、なるほど。

住職:彼らは例外なく、素早い動きで、ものごとをどんどん進めていくでしょう?

--本を読むと、どうもそうらしいですね。

住職:おそらく彼らの無意識には、未来ですでに実現していることが、
はっきりと映っているのではないかと思います。

--そうなんですか。

住職:そこから現在を観るから、ある意味、もうまどろこしくてしょうがない。

--へぇー。

住職:だからしゃかりきになって動くわけ。何百年先と今の差を、一瞬でも
早く縮めようとして。

--住職の行動力の背後には、そのような心理があったんですね。

チャトランガの精神は、いかに世界を変えるか?にある

住職:信念とイメージ、そして行動が現実を創ります。理想の未来は、
「あたかもそれがすでに実現しているかのような」精神態度が、無意識に
まで浸透し、そこから生まれた行動によって実現するんです。

--そうなんだ~。

住職:だから、チャトランガが広まることは、「武器も戦争もない世界、
すなわち平和で豊かな地球はすでに実現している」という未来からのメッ
セージが人々の無意識に伝わり、それが行動となって現れていくという
ことでもあるんです。

--平和な未来が、あたかもすでに実現しているかのような精神態度を、
人々が取るようになる、、、。でも、もしそうなったら、人々は安心して
しまい、世界の現実問題を考えることや、平和の実現に向けた行動を取ら
なくなるということはないですか?

住職:いや、むしろその逆なんです。というのは、心の中で平和がすでに
実現しているのであれば、平和でない現在の状態を、極めて不自然なものと
して、強い不満とフラストレーションを感じます。そしてその不満とフラス
トレーションが、人間としての自由と尊厳、また平和を取り戻すための活動を
させるのです。

--へぇー。

住職:例えばガンジーにとって、イギリスに植民地支配されているインドの
状態は“あり得ない”ものだった。その心の中に明確にあったイメージは、
独立している自由なインドだったのです。それがガンジーをして、不屈の
独立運動の志士とさせたのです。

--それが先のお話に出た、未来を前提とする人の心の状態なんですね。
心の中では、未来に起きることがすでに実現している。だから、現状に対して
強い不満を感じて、極めてアクティブにものごとを進めていくということ
なんですね。

住職:現在、チャトランガの制作に協力したり、広めて下さっている方々が
いらっしゃいます。僕は彼らが、「平和で豊かな世界が当然だ」という精神
態度を、人々の無意識にインプットして下さっていると思っています。

--住職とその仲間が進めているチャトランガ・ムーブメントは、より良き
理想の未来が実現する種を、人類の無意識に植えるための活動ということなん
ですね。

住職:そう僕は認識しています。

--1年間に亘った番外篇のチャトランガ・シリーズでお話しをお聞きして、
チャトランガには、私が思っていた以上に、たくさんの意味が込められている
ことがわかりました。

住職:僕自身、無意識の内容をある程度までは、言語化することができた
ように思います。

--チャトランガ推進者の方々が、どんな気持でチャトランガを広めて
いるのかもわかりました。
例えば、子どもたちが、未来を前提とした「はじめに成功ありき」の人生態度を
身につけるようになること。また、相手をもう一人の自分と認識して、勝ち負け
を超えた「真の勝利者」の道を歩むようになること等々、、、。

住職:人類が、自らのネガティビティをユーモアで包み、闘いを平和へと
反転させることは、とても大切なことだと思います。それには、あらゆる
存在を物質としてではなく、心として観るようになることも必要になって
きます。

--はい。

住職:これからは、外の問題に立ち向かうだけでなく、自己に内面に直面
していくことに目覚めていく時代になると思います。

 

 

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--「平和で幸福な未来を、今の感情的な体験として味わう。それが人生と
世界に、平和で幸福な状況を創り出す」。そういう、チャトランガのコンセ
プトを聞いて、私は何だかホッと安心して、とてもくつろぐことができました。

住職:それは良かったです。

--他の人たちのためにも、自らチャトランガを楽しんだら良いということ
ですよね。「笑う角には福来る」ですから。そんな和気あいあいの場を、
チャトランガで創っていきたいと、私も心から思いました。

将棋を超えた次の時代の始まり

住職:先に述べたように、チャトランガは遠くない未来のロボット万能社会
において、人間が自らの人生をどう主体的に創造していくかを象徴するゲーム
とも言えます。

--はい。

住職:将棋は人類が創った最も高度な知的ゲームです。しかし皮肉にも、
この将棋が、人間が理詰めによる判断ではロボットに決して勝てないことを
証明してしまったのです。

--そういうことなのですね。

住職:テレビで中継するほどの盛り上がりを見せた、「人間 vs 人工知能」
の「電脳戦」は、2015年をもって終了するそうです。

--えっ、そうなんですか!?

住職:その理由はシンプルです。数年以内には、たとえどんな名人であろうと、
人工知能に歯が立たなくなるのが明白だからだと思います。

--人工知能は、ついにそのレベルまで来てしまったんですね、、、。
たしかに、もし将来電脳戦が、会話までする人型ロボットと人間棋士の対戦で、
人間棋士が全敗ということにでもなれば、プロ棋士のイメージダウンには、
はかりしれないものがあるでしょうね。

住職:何よりも、プロ自身の敗北感というか、セルフ・イメージに対する
ダメージが大きいのではないでしょうか? 自分が一生かけて磨いた将棋の
腕が、ロボットに勝てない、というのでは。

--日本将棋連盟が、2015年をもって電脳戦を終了することにしたのは、
そういった危機感からなのでしょうね。例えば、人工知能による自動運転に
よって(あるいはロボット運転手によって)、タクシーの運転手が失業する
可能性は十分にあり得ることです。同様に、電脳戦における棋士の敗北が
決定的になれば、これが、「果たして棋士は、未来においても職業として
成り立つのかどうか?」という議論にまで発展しかねないですね。

住職:僕は、単に棋士のイメージダウンというだけの問題ではないと思うん
です。会話をする人型ロボットに対する棋士の敗北は、「人間が知的レベル
では人工知能に及ばないことの象徴」です。このイメージが、人々の無意識
にインプットされてしまうことによる、人間のロボットに対する敗北意識が、
むしろ大きな問題ではないかと思うんです。

--そうなんですか。

住職:まず、“ロボットに対する人間の敗北”というイメージは、基本的に、
人に不安感を与えると思います。今振り返ってみると、将棋電脳戦がテレビ
中継までするほど盛り上がったのは、人々の潜在的な怖いもの見たさ的感覚
があったのではないかと思います。

--それは、自己の存在理由を脅かされるような不安感ではないでしょうか?
私が未来のロボット社会をイメージするときに感じるのには、そういう不安感も
ありますから。

住職:人間心理として、それは当然だと思います。一説によれば、人工知能は
2045年には完全に人間の知能を超える、と言われています。人工知能の
発達を危惧しているのはホーキング博士だけではありません。
テスラCEOイーロン・マスクも、“人類はAIで悪魔を呼び出そうとしている”
と、「2014 Centennial」という シンポジウムで述べています。

--そうなんですか、、、。

住職:たしかにテクノロジーは諸刃の剣ですから、悪魔に成り得ます。
しかしお釈迦さまもキリストも、悪魔と立ち向かい、これを乗り越えることで
悟りを開き、また神に目覚めたのです。実はこれからの時代、人間がいかに
悪魔と立ち向かい、これを乗り越えて霊性に目覚めていくかがテーマになるん
ですよ。

--へぇー、、、。

住職:ここで言う悪魔が何かについては言及しませんが、いずれにしても
僕たちは今、かつてないほど大きな時代の転換点にいるんです。人々が
電脳戦に興味を示したのは、人間が潜在的に抱くロボットに対する基本的な
不安感と、時代の劇的な転換点に立ち会いたいという、怖いもの見たさ的な
欲求によるものかも知れません。

--ああ、なるほど。

住職:ところで僕は以前、「ロボットと人が対戦するチャトランガの試合は、
人工知能が主導する社会において、人間の存在意義を表す行為になる」と言い
ました。

--はい。とても印象的な言葉でした。

住職:また、「あらゆる知的ゲームで人間がロボットに勝てなくなる中で、
チャトランガだけは人間がロボットに対抗し得るゲームとして残る」とも
述べました。

--はい、、、。

東京タオサンガセンターでクリスマスに開催されたチャトランガトーナメント決勝決定戦のひとこま
決勝トーナメントは、予想もしない組み合わせに。 勝者であるリングネーム”まろ”(永田氏)の余裕の顔。

 

未来に必要な人間の精神を開発するゲーム

住職:果たして人間は、何を磨くことによってチャトランガをプレイする
ロボットに勝てるのでしょうか? 恐らくそれは“直感”や、試合の中に
流れている“気”とか、そういう人間だけが磨ける能力ではないか? ある
いは、人間が対ロボット・チャトランガ戦の中で磨かれる、今はまだ発見
されていない、人間の未知なる精神的な何かではないか? と思うんです。

--それは一体どのようなものなのでしょう?

住職:それは、今述べたように“未知なるもの”なので、今の私たちには
わかりません。でも、人間がロボットAIとの対戦によって引き出される、
その精神的な何かは、それまで人類が鍛えられることがなかったもの、と
いう気がします。

--そういう意味でAIは、“悪魔というネガティブなもの”というよりも
むしろ、人間を精神的に鍛えるポジティブなもの、となり得るということ
ですね。人類が人工知能を発達させることは、テスラCEOやホーキング博士
が言うように、必ずしも、人間を滅ぼすネガティブな行為ではない、という
ことですね。

住職:あらゆるネガティブなものは、ポジティブなものになり得ますからね。

--ここにも、宇宙の反転融合の理法が出ましたね!

住職:チャトランガ棋士は、将棋に対するロマンをつぶした人工知能という
悪魔と対峙し、人類はこれを乗り越えることによって、より精神的に向上して
いくということです。

--将棋ではロボットに完全に敗北することになった人間が、逆にチャト
ランガでは精神的に磨かれていったり、また開発向上していく、、、それは
凄いことだと思います。人間は、チャトランガAI(人工知能)との対戦に
よって、どんな精神的能力が鍛えられ、また引き出されていくのかを考えて、
私は何だか楽しみになってきました。

住職:それはそれは。(笑)

--先ほど私は、“人工知能の発達によって、人類が精神的に大きく成長
しなくてはならない事態になる気がする”と言いましたが、チャトランガ
とこんなふうにつながるとは思ってもみませんでした!

住職:これから確実にやって来るロボット時代にチャトランガが世界に
リリースされることの意味を、僕は「人間の新たなる精神性を開発する」と
いう観点で捉えているんです。

--なにせチャトランガは、未だかつてなかったゲームですものね。

住職:もっとも今のチャトランガのAIでは、まだ人間の精神能力を鍛える、
というレベルまでは発達していません。盤上の条件に対して、思考という
よりは、“反応している”段階ですから。

--それでも、初心者が最初にトレーニングするには、ちょうど良いレベル
になっていますね。初期のバージョンに比べて、今のは、けっこう強いし。
                                    
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AI研究よ、来たれ!

住職:一番最初にチャトランガAIやオンラインゲームを構築してくれたのは、
かつてタオ指圧の生徒さんだったイスラエル人のアリエという人です。彼は、
チェスの世界チャンピオンのボビー・フィッシャーを破った、ディープ・ブルー
というAIプログラムを書いたチームの一員だったんです。

--へぇー! ある意味、AIの歴史を創った人の1人だったんですね。

住職:今は、コンピューターの世界から完全に足を洗い、なぜかタイで坊さん
になってしまいました。先日、何年かぶりに電話をくれ、今は洞窟に住んでいる
と言っていました。

--面白ーい!

住職:かつてアリエが言っていたんですが、ゲームに偶然性の要素が盛り込ま
れているチャトランガは、将来、AI研究者にとって、とてもお面白いテーマに
なるだろう、ということでした。

--そういう意味でもタイムリーですね。

住職:それで僕は、これから世界の人工知能の研究者たちに広く募集して
協力を仰ぎ、チャトランガAI(人工知能)を発達させていきたい、と思って
います。そして、将棋の電脳戦が終了する2015年以降に、「国際チャト
ランガ電脳戦」(仮称)を人型ロボットを使ってスタートさせたいと考えて
いるんです。

--何ともそれは、象徴的なできごとですね!

住職:最近プロ入りした、ある将棋棋士は、コンピューター対戦で腕を磨いた
そうです。すなわち将棋時代の棋士たちは、人間との対戦に備えてコンピュー
ター相手に練習する。でももしかしたら、未来のチャトランガ棋士は、その
逆かも知れません。ロボットを倒すために人間相手に対戦して、腕を磨くなんて
いうことになる可能性だってあります。

心の輝きこそが理想を実現する

--それはそれで面白いのかも知れませんね。人間だけが磨くことのできる
精神的な何かが、ロボットと試合することによって、より引き出されていく
のなら。多くの子どもたちが、こぞってチャトランガをしたがるのは、すぐ
近くの未来社会に備えて精神をトレーニングしたい、ということなんでしょうね。

住職:そうですね。人間同士のプレイによっても、今まで使っていなかった
脳の部分が活性化するでしょうし。何よりもチャトランガは、子どもの心で
コミュニケートし合う人間関係を作るツールでもありますからね。

--だから子どもの心にヒットするのですね。彼らはすぐにチャトランガに
飛びつくでしょう。子どもたちは、チャトランガが未来社会に必要な智慧を
開発トレーニングするゲームであることが、直感的にわかるのではないか?
そう、私には思えてならないんですよ。

住職:その一方、チャトランガには、時代性を超えた根本的な使命があります。
それは、大乗仏教の哲理である、“相対するものの反転”を心に浸透すること。
それによって、人々が心の自由性を獲得するということです。だからこそ僕は
チャトランガを、精神を開発する新しい時代の文化として、広く一般に提供
したいのです。

--6世紀にインドの高僧が考案した、Chatraunga (古代チャトランガ)の
精神が、ここに結実したということですね。

住職:歴史学者トインビー(Toynbee,1889~1975)は、「人類の将来は?」と
聞かれ、次のように答えています。

「歴史家は過去のことは語るが、未来は語らない。もし二十一世紀に、
どのような人間が要請されるかという質問になら答えられる。それは
大乗仏教の精神です」、と。

--へぇー。

住職:大乗仏教では、「過去現在未来は、すべて今ここにある」と言います。
その「今ここ」は、より良き理想の未来の実現を念じて行動する、一瞬先の
“心の輝き”の中にあります。その心の輝きこそが、理想の未来を実現する
んです。

― 完 ―

◯よろしければ、13回に亘った「住職に聞く/チャトランガ篇」の感想を
お送り下さい。
メールアドレス:sangha_creater@yahoo.co.jp

月刊タオサンガ編集部

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