心の輝きこそが理想の未来を実現する ―チャリティックス篇(7)―

住職に聴く!

和田寺の住職は、タオ指圧/気心道の創始者、音楽家など、様々な顔を持つ遠藤喨及(りょうきゅう)さんです。
喨及さんにインタビューして、さまざまな質問に答えてもらいます。
一体どんな言葉が返ってくるのでしょうか・・?

プロフィール

遠藤 喨及 東京に生まれ、少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職、タオ指圧/気心道創始者、ミュージシャン、平和活動家、ゲーム発明家など、さまざまな顔を持つ、タオサンガ・インターナショナル代表。 1990年頃より、北米各地、ヨーロッパ各地、中東、オセアニアなどの世界各地で、タオ指圧、気心道、また念仏ワークショップ等を行い始める。 また、それらの足跡によって、世界各地のタオサンガが生まれ、現在、各センターは、仏教の修行道場、タオ指圧*気心道などの各教室、海外援助を行っている。 遠藤喨及個人ブログページもご覧ください

 

チャリティックス(Chari-TX)

住職が20代前半から開発して来たミリタリー戦略ゲーム。

先代の任天堂社長には、「ファミコンが出る前だったら、相当ヒットした
だろう」と言わせ、また将棋のプロ養成所にいた人を、「極めて奥が深い
ゲーム!」とうならせた。

バングラデッシュのいくつかの小学校では、定期的な課外授業としてチャリ
ティックスを取り入れることを決定。

現在、ゲームSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)として立ち上げる
べく、急ピッチで水面下でのシステム開発が進められている。

チャリティックスHPhttp://chari-tx.com/index.html


9498526898_1ac4f72a2c_z

― チャリティックスの願いとその哲理 ―

チャリティックスは自分との向き合い

--番外編(6)の、ゲームこそ平和を創る高度なコミュニケーション・
ツールになるという言葉はとても心に残りました。ゲームで平和を
創造できたらすごいことです。「平和を創る」、、住職は、どこまで
イメージされているのか、少しずつでもその一端を話していっていた
だけるとうれしいのですが。

住職:以前、精神文化の発達が遊びを生むと述べましたが、逆に遊びに
よって精神性が発達するという面もあります。戦争が無くなる前提には、
人類の精神性の発達が不可欠ですね。

--その手段の一つとして、チャリティックスがあるんですね。人類に
とって最もネガティブな「戦争」をゲームにしたチャリティックスです。
だから、このゲームとの向き合いは、まさに自分自身のネガティビティに
どう向き合うか? というテーマなのかも知れませんね。

住職:このゲームにどう反応し、どう向き合うかは人それぞれですね。

--“戦争をゲームにして遊ぶなんてけしからん!”という反応は、もしか
したら(6)にあったように、“平和のために「闘う!」”という無意識の
姿勢とシンクロしているのかも知れませんね。では、以前にもお聞きした
「自分の本質が現れるからやりたくない」という場合はどうなんでしょうか?

住職:自己に内在するネガティビティと折り合いが取れていないとか、
うまくつき合えていないのかも知れません。

--そうか! 内的な葛藤が浮かび上がることを恐れているのかも知れ
ない、ということですね。

住職:自分に向き合うことが苦手だと、臨床心理カウンセリングを受ける
のは難しいのです。チャリティックスも心理ゲームだから、勝つにせよ
負けるにせよ、「自分の闇との向き合い」は避けられないところがあります。

 

チャリティックスで人間の持つ可能性を広げて欲しい

--ああ、たしかにそうですね! ところで以前の話に出た、“あたかも、
自分の中にはネガティビティなど存在しない”かのように、ふるまっている
場合はどうなんでしょう?

住職:先にも言いましたが、自分のネガティビティに向き合うのが苦手
だと、チャリティックスをプレイするのは難しいと思います。だからと
いって、チャリティックス・プレイヤーがみな人格的に素晴らしいかと
言えば、そうとは限らない。逆の場合だってある。まあこれが面白いと
いえば、面白いところですが。

--ああ、なるほど。

住職:これは相当以前の経験ですが、チャリティックス大好きな人が
いました。でも彼には、“他の人のために、みんなが楽しむ場を創ろう”
という気持がまるでない。僕としては、「何だかなぁ~」という感じで
した。それで結局、その人と例会やるのを止めたということがありました。

--将棋やチェスだって、考えてみたら名人が必ずしも人格高潔とは
限らないですものね。

住職:チェスの世界チャンピオンだったボブ・フィッシャーは、人格的にも
かなり偏った人だったらしいですね。奇行の人だったことでも有名です。
それでも、チェスの盤上に観る宇宙を説いたりしたそうですよ。また日本人
の女性と結婚したこともあったようです。

 

 

--へぇー。

住職:それでも僕は、人々がチャリティックスをプレイすることによって、
人間が本来持っている無限の可能性の、たとえ何パーセントでも良いから
広がって欲しいとは思っています。

--はい。

 

孤独な時代にこそコミュニケーション・ツールを

住職:今は、お金さえあれば、人と関わらなくても生活できてしまう
という、「お一人様」の時代です。そして今日本では、年間の「孤立死」が
3万人。このままでは2040年ごろには、年間20万人が「孤立死」するように
なる、と言われています。

--(、、、絶句)何ともすごい数ですね、、、。

住職:そんな孤独なる「お一人様の時代」にこそ、一人ではできないもの、
相手がいなければできないものを提供したい。人と人が遊びによって楽しく
語り合えるものを提供したい。地域コミュニティの再生に役立てて欲しい。
僕は、心からそう思います。

--人と人が、子どもの部分でコミュニケーションできるコミュニケー
ション・ツール。それが、チャリティックスなんですね。チャリティックス
の「新しいコミュニケーション文化を創造する」というコンセプトは、そこ
から来ているのですね。

住職:現在、チャリティックス・ムーブメントを進めて下さっている
人たちは、このような時代の危機を直感的に捉え、その上で人類社会に
対する願いをもっているのだと思います。

--それはどんなものですか?

住職:人と人が豊かなコミュニケーションによってつながる、という夢です。

 

P1040725-450x337

 

IT革命が仏教ブームをもたらした!?

--それはすばらしい夢ですねー。ところで先の質問なんですが、戦争は
どうやって過去の遺物になって行くのでしょうか?

住職:まずコミュニケーション手段が発達する必要がありますね。その
第一歩が、コミュニケーション・テクノロジーの発達と、ITによる情報
革命だったんです。

--そうなんですか。

住職:人々のコミュニケーション手段は、IT革命によって飛躍的に向上
しました。これは同時に、大乗仏教の哲理を無意識レベルで浸透させる、
という副次的な効果をもたらしたんです。

--へぇー! いったいそれはどういうものですか?

住職:かつてのコミュニケーション手段では、個から個へ、あるいは一方
から一方にしかできませんでした。しかし例えば電子メールでは、一人が
何人に対しても同時に送信することができる。それだけでなく相互に、かつ
同時に、複数が複数に対して送受信し合うことができます。

--はい。

住職:これは旧時代の通信手段では、あり得なかったことです。また
コンピューターでしか起こり得ず、物理的な現象としては不可能です。

--今となっては、かつての状態を想像することも難しいですが、、。

住職:実はこれ、「1つの存在が他のすべてを含む。同時に1つ1つが相互に
含み合っている」という、華厳経で説く大乗仏教の基本的な哲理を表して
いるんです。

--なるほど、、、。

住職:だから、日々このメール通信のやり取りを行っている人たちの無意識
には、大乗仏教の哲理が一部なりとも浸透しているのです。今、日本でも
また世界でも、仏教ブームが起きています。実はそれ、IT革命がもたらして
いる、という面があるんです。

--そうかあ! いやー、面白いもんですねぇ、、、。

 

大乗仏教の哲理が無意識に浸透する

住職:IT革命によって人の無意識に浸透するのは、1つがすべてを含む
という、“一即一切”の哲理です。これを体感として理解するのは、宇宙
大霊の悟りの1つの側面である、「妙観察智」と呼ばれる心の働きによる
ものです。

注:妙観察智とは、存在のすべてが含み合っていることを悟る智慧。

--「1つのツボが身体全体を含む」、という東洋医学の考えもここから
来ているのですね。

住職:そうですね。それも「妙観察智」の一部ですね。大乗仏教にはその他
にも、“相反するものが一体である”という、「平等性智」と呼ばれる
悟りから生まれた哲理があります。

--そういえばチャリティックス自体が、ネガティブとポジティブ、また
戦争と平和などの対立的で相反するものを、ユーモアによって反転融合させる
ゲームですよね。

住職:はい。

--ということは、人はチャリティックスを通じて、相反するものが
反転融合することを無意識レベルで体験するということなんですね。

住職:その体験は、相反するものが根源において一つであるという、
大乗仏教の哲理を無意識レベルに浸透させると思います。

--IT革命と仏教ブームがシンクロしているのと同じことが、チャリ
ティックスによって起きるんですね。

住職:ゲームという遊びを通してですから、大乗仏教の哲理を、ユーモアを
もって理解するというところが、まあ特徴ですかね。もっともこのユーモア
にしても、宇宙大霊の「成所作智」と呼ばれる悟りから生まれるのですが、、、。

--それにしても、チャリティックスの普及によって、人々の無意識に
大乗仏教の哲理が浸透するなんて!、、、それは私には、思いもよらない
ことでした。やっとタオサンガの要素の一つに、チャリティクスが入って
いることの意味がわかったように思います!

― 続く ―

○6月の住職の法話ライブは、こちらをご覧下さい!
http://taosangha.com/sangha-tv/houwa1406/

View all posts in this series
Comments are closed.