住職に聴く!2018年 7月号

和田寺の住職は、タオ指圧/気心道の創始者、音楽家など、様々な顔を持つ遠藤喨及(りょうきゅう)さんです。

喨及さんにインタビューして、さまざまな質問に答えてもらいます。
一体どんな言葉が返ってくるのでしょうか・・?

遠藤 喨及
東京に生まれ、少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職、タオ指圧/気心道創始者、ミュージシャン、平和活動家、ゲーム発明家など、さまざまな顔を持つ、タオサンガ・インターナショナル代表。 1990年頃より、北米各地、ヨーロッパ各地、中東、オセアニアなどの世界各地で、タオ指圧、気心道、また念仏ワークショップ等を行い始める。 また、それらの足跡によって、世界各地のタオサンガが生まれ、現在、各センターは、仏教の修行道場、タオ指圧*気心道などの各教室、海外援助を行っている。 遠藤喨及個人ブログページもご覧ください。http://endo-ryokyu.com/blogs/

アースキャラバン2018京都 ステージで演奏する住職

ーー 前回のインタビューで、

“トランプ・アメリカが、

「世界の中心的大国」の地位から降りる

方向に進んでいることは間違い”と

おっしゃっていましたが、、。

 

住職: そうですね。

少し前にあったユネスコからの脱退、

衝撃的なアメリカ大使館のエルサレム移転、

またイラン核合意からの離脱、

さらには先日の世界人権委員会からの脱退。

これら、一連の行動のすべてが、

トランプがアメリカを世界の中心国という

地位から落とすための布石です。

 

ーー その目的が軍需産業の弱体化とも

おっしゃっていましたが、、、。

 

住職: はい。

だからトランプはマスコミからボロくそに

言われているんです。

CNNなどのマスコミの株主には軍需産業も

入っていますから。

彼の行動の裏がわからずに、

“頭が狂った人が大統領になって

暴走している”と見ている人も多い

と思います。

でもトランプは、遠大な計画性をもって

用意周到な準備の上に実践している、

と思います。

 

ーー 移民を排斥する差別主義者とも

見られていますが、、、。

 

住職: トランプが大統領になった目的は、

軍需産業潰しです。

しかし軍需産業は、

アメリカの基幹産業だから、

日本で言えばトヨタ、ホンダなどの

自動車産業を潰すようなものです。

そして、実際に軍需産業が潰れたら、

結果、アメリカに多くの失業者が

出ることになります。

 

ーー そうですね、、。

 

住職: トランプは自らの手で軍需産業を

潰すことによって大量の失業者が出ることを

想定し、そのために移民を閉め出している

のではないかと思います。

 

ーー うーん、なるほど、、、

 

住職: これまでドルは世界の基軸通貨

でした。

例えば、世界の国々は石油の価格を

ドル表記し、どちらも自国の通貨を

ドルに両替して石油を売買していました。

 

ーー そうなんですか? 

知りませんでした、、。

 

住職: アメリカはそれによって

世界中から手数料が入るだけでなく、

ドルを刷ればいくらでもお金を

増やすことができました。

 

ーー はあ、、、。

 

住職: しかし中国とロシアは、

すでに自国の元やルーブルによる取引を

始めています。

また、その流れで、

ヨーロッパもユーロ決済が始まっているか、

いずれは始まることでしょう。

 

ーー ドルを通さない国際間の取引を

始めているんですね。

 

住職: 自国のドルが基軸通貨でなくなり、

ドルの錬金術も終わる。

さらに、基幹産業が振るわなくなって

大量の失業者が出れば、

アメリカが経済恐慌に陥ることだって

考えられます。

 

ーー トランプがやっていることは、

「肉を切らせて骨を断つ」作戦なんですね。

 

住職: 億万長者のトランプでなければ

考えつかなかったことでしょう。

 

ーー 以前の

「トランプは稀代のトリックスター」

という住職の言葉を思い出しました。

 

どんでん返しの作戦

 

住職: 朝鮮半島もトランプをきっかけに、

南北朝鮮が平和条約を

結ぶことになるでしょう。

さすがにトランプも、

米朝会談で朝鮮戦争の終結(注※)を

宣言することまではできなかった。

今の段階で、そこまで行うことは

トランプも諦めたのでしょう。

 

※朝鮮戦争が終結する・・・朝鮮戦争は
1957年に休戦協定を結んだところで
終わっているので、名目上はまだ終戦に
至っていない。

 

ーー どうして諦めたのですか?

 

住職: 朝鮮戦争が終結すると、

朝鮮半島に軍隊を置いておく理由がなくなり

在韓米軍は撤退しなければなりません。

軍需産業としてはそれは困る。

それで、トランプを妨害したのでは

ないでしょうか。

 

ーー ああ、なるほど。

そこに駆け引きがあるんですね?

 

住職: トランプの行動はすべて

軍需産業との綱引きです。

一見、軍需産業が喜ぶようなことを

言っていては、どんでん返しで作戦を進める。

今回の米朝会談の前は、

“北朝鮮を火の海にする!”と言って

軍需産業を喜ばせていた。

その上での電撃的な平和会談です。

この後は、

「中国主導の元に平和条約を結ぶ南北朝鮮」

というアメリカ抜きのシナリオを

描いていると思います。

 

ーー 安倍さんは、

南北朝鮮が平和会談をした後ですら、

日本海側でJアラートを

鳴らしたりしていましたね。

 

住職: 「北朝鮮脅威論」を

煽るのに必死でしたね。

安倍さんには、

アメリカの”軍需産業の忠実な手下”

という役割もあるのでしょうけど、

また、別の狙いがあると思います。

 

ーー え?狙いが?

 

住職: 国民の目が朝鮮半島に

向いている内に、国民が非常な不利益を

被るような法案を通すことですよ。

 

ーー ああ、なるほど、、、。

 

もしトランプがTPPを破棄しなかったら?

 

住職: 例えば、「働き方改革一括法案」。

これが強行採決されてしまい、

“年104日と有給休暇5日以外は休憩なしの

24時間労働が合法”になりました。

 

ーー ひぇー! 

労働環境を劣悪にする法案ですか!? 

日本全体がブラック企業化

するんでしょうか?

 

住職: その上、

「高度プロフェッショナル制度」

(働き方改革一括法案に含まれる)

まで通ると、何と1日8時間、週40時間

という労働基準法が適応されなくなる。

つまり、奴隷的労働すら可能になるんです。

 

ーー 、、、、言葉もありません。

 

住職: さらに、

水道民営化のこともあります。

 

ーー 水道の民営化は何が問題なのですか?

 

住職: 例えば、ボリビアなどの

南米諸国では、世界銀行が国の水道事業を

アメリカのベクレル社に買い取らせて

民営化したんです。

当初は、“水がより安く安全になる”という

触れ込みでした。

 

ーー ええ、、。

 

住職: しかし、

やがて水道代は4倍に跳ね上がりました。

その上、水が細菌を多く含むようになり、

病人が増えたのです。

 

ーー なんという、、。

 

住職: 貧しい人が払えなくなると、

やがて水道は止められました。

恐ろしく非人間的なことですが、

公園の蛇口は閉じられ、

貧しい人に水を分けることも

禁止されたそうです。

 

ーー そんなひどいことを、、。

 

住職: 人間は水なしでは生きていけません。

だから、国が水道を止めることは

ありませんでした。

しかし多国籍企業は、

お金を払わない客の水を躊躇なく止めます。

彼らは人間が生存できるかどうかなど、

どうでもよかったのです。

 

ーー 人間の心を持っていたら

できないことですね。

 

住職: ネスカフェで有名なネスレは

世界的に悪名高い会社ですが、

これのCEOが、地球の水を“商品である”と

言ったことは象徴的です。

人間の生存に必要な水が商品になったら、

どういう世界になると思いますか?

 

ーー いずれ、

空気も商品になりそうですね、、。

お金持ちしか生存できない世界、、、?

 

住職: 資本力のある企業の株主が

水源を買い占め、水源を買えない庶民が

高いお金で水を買い続けるという

サイクルが成立します。

ますます世界が、

“経済による主人と奴隷の関係”で

成り立っていくことになるのです。

 

ーー 中東でも、

イスラエルによって自分たちの土地の水源を

奪われたパレスチナの人たちが、

通常の四倍の値段でイスラエルに水を

買わされているという現実を

目の当たりにした時は、ショックでした。

 

住職: 南米では、生存が不可能になった

市民が決起したのです。

そして政府は、

売却額よりもはるかに高い金額で、

多国籍企業から水道事業を買い戻しました。

 

ーー どうして売却額よりも、

はるかに高い金額になったのですか?

 

住職: TPPには、“多国籍企業が現地政府の

行為で不利益を被ったら、賠償金を払う”

という契約条項がありますからね。

 

ーー トランプがTPPを破棄しなかったら、

日本もTPPに入るところだったん

ですね。

 

 

若者たちのサバイバル術

 

住職: 暗い話で申し訳ありませんが、

とうとう日本でも、種の自家採種を原則禁止に変える方向で

農水省が検討に入ったようです。

 

 

ーー 種の自家栽培って、農家がこれまで

当たり前にやってきたことですよね?

 

住職: 信じられないでしょうが、

国は「種苗法」を変えて

原則容認されていた自家採種を

原則禁止にして自家採種を制限していく

方針のようです。

 

ーー ^^えーっ!?

 

住職:

シンプルに言うと、

“日本の農家はモンサント社(注※)から

種を買わないと、農作物が育てられない”

という法律が、安倍政権によって日本で

施行される流れになっているということです。

アメリカはすでにそうなので、

いつか来るかな、とは思っていたんですが、、。

※モンサントは6月、ドイツの製薬・
化学大手のバイエルに買収された。

 

ーー そんなひどい、、、。

一体、何のためですか!?

 

住職: モンサントを儲けさせるため、

というのが一番分かり易いですよね。

でも、それだけではない。

株主はどこだかわかりませんが、

日本法人の企業が反対しないような、

裏の狙いだってあると思います。

 

ーー それは一体、どういうことですか?

 

住職: 先に述べた「働き方改革一括法案」

によってブラック化した企業が、若者たちに

奴隷的労働をさせることが可能となる。

「種子法の改正」さらに「種苗法の改正」

による自家採種禁止の流れは、

彼らに一生派遣暮らしを受け入れさせる

援護射撃となるのです。

 

ーー どうして「種子法の改正」や「種苗法の改正」が、

若者に一生派遣暮らし受け入れさせるための

援護射撃となるのですか?

 

住職: 逆に、

ちょっとイメージしてみて下さい。

日本は土地が肥沃で、

ちょっとしたことで作物が育ちます。

諸外国に比べたら、

はるかに自給自足がしやすい環境なんです。

 

ーー はい。

 

住職: 例えば、

都会で一生「派遣暮らし」で、

夢もなく生きて行くことに

絶望した若者グループがいるとします。

 

ーー ええ。

 

住職: もし、ですよ。

仮に彼らが、過疎地のお年寄りと組んで

帰農したとします。

土地や工具はお年寄りが提供し、

若者たちはお年寄りのできないことを

提供する。

食べることには困らなくなる上、

生活費の大半を家賃に取られる

こともなくなる。

 

ーー そうなったら、よいですね!

 

住職: これが、将来に夢を失った若者の

サバイバル術としてトレンドになったと

します。

その結果、無数の若者たちが大挙して

田舎農民になったとしたら、どうでしょう?

 

 ーー んん、、。

都会で派遣で生きる若者が減りますよね。

でも、都会で孤立して生きるより、

田舎暮らしでも大勢いたらはるかに

楽しいですよね

 

住職: でも企業にとっては、

これはどういうことだと思いますか?

 

ーー 人手不足になりますね。

 

住職: 企業は今のように、

若者を安い労働力では使えなくなります。

 

ーー はい。

 

住職: 為政者だって知っているんですよ。

本当はどうすれば、若者たちが

もっと楽にサバイバルしていけるように

なるかぐらい。

そこで先手を打って、人々に都会での

奴隷的労働生活からの逃げ場を

与えないようにする。

そのための布石の1つが種子法改正。

そう考えると、なぜ種子法を改正してまで、

日本の農業を潰すようなことをするのか、

その理由がクリアーに見えてきます。

何もモンサント社に儲けさせるためだけでは

ないんです。

 

ーー なんと、まあ、、、。

 

住職: 例えば、アメリカの構図は、

まず大学の補助金を減らして教育費を

高額にする。

そして、奨学金という名の高利の借金を

負わせる。

でも、軍隊に入ったらチャラになるので、

貧しい家の子弟は軍隊行きとなる。

これは、大学の補助金を減らした段階で、

すでに“貧しい若者たちが軍隊に行くことに

なる”というシナリオができていたんですよ。

どんな場合においても、為政者なり

その上の階層の人たちは、善悪は抜きにして、

それなりに遠大な裏の目的をもって

やっているのです。

 

ーー 「風が吹けば桶屋が儲かる」

的な計画をちゃんと立てている、

ということなんですね。

トランプの一連の動きにも共通の目的が

あったし、、、。

安倍政権が法案を通した、働き方法案、

種子法の改正、共謀罪などの諸々は、

バラバラに見えますが、

実際には、共通の目的があって

繋がっているということなんですね。

それにしても、いやー、そこまでやるのか、

という感じですが、、、。

 

一匹オオカミの智慧

 

住職: さらに暗い話で申し訳ないんですが、

環境庁は、原発事故の放射能で汚染された

除染土を、わざわざ日本各地の農地に

ばら撒くことを決めました。

 

ーー 理解に苦しみます、、、。

 

住職: 日本全体でガンが増えれば、

原発事故が原因かどうかが

わからなくなります。

それに、原発輸出、被災地への帰還、

保障の打ち切り、東電の賠償などの諸々も

全てうやむやにできますからね。

 

ーー ひぇ~。

 

住職: 働き方法案、種子法の改正との関連

もあると思います。というのは、もし将来、

帰農というサバイバル術のトレンドが

始まるとしたら、もっとも僕は、

それしか残っていないのではないか、

と思っていますが、、、

先導することになるのは社会を

ドロップアウトしたような、

意識が高い人たちでしょう。

 

ーー はい。

 

住職: でも、もし農地の土壌に放射能汚染

があったら、脱原発の活動家など、

意識の高い人たちほど

躊躇することでしょう。

除染土をばら撒くことを決めたのは、

そこまで計算に入れてのことだろう、

と考えた方がわかりやすいですね。

 

ーー そんなことにまで考えが及ぶ

狡猾さって、、人間ですよね?

 

住職: 上の上の人で、政府よりも

上の人たちでしょう。

あとは、“上からの指示だから”

というだけの理由で、結果を考えず、

責任を感じることもなく、

唯々諾々と従う行政と現場の人がいれば、

実行されます。

 

ーー そんなひどいことを結果も考えず、

“上からの指示だから”というだけの理由で、

責任を感じることもなく従うなんて、、、。

 

住職: はい、愚かだと思うでしょ?

でも、彼らは一様に言うことでしょう。

従わないとクビになるから、

生活のためなんだ、と。いずれにせよ、

上の上の階層である1%は、

「人間をどこまで愚かにできるか?」という

ゲームをしているんです。

 

ーーこのゲームに勝つには

どうしたら良いのでしょうか?

 

住職: このゲームでは、外部の権威や

情報にしたがったら負けです。

 

ーーそうなんですね。

 

住職: 北朝鮮の脅威を煽る

マスコミ情報を鵜呑みにして、

共謀罪、働き方法案、種子法、水道民営化を

成立させるなんていうことは、

政治以前にそもそも人とし

てやってはいけないことなんです。

 人権をないがしろにする政権を支持する

なんていうのは、ナチス、スターリン、

北朝鮮を支持するのと何ら変わらない。

自ら墓穴を掘って、負けるようなものですよ。

それがどれほど自分たちの首を締めることに

なるのかぐらいは、せめて分かるぐらいの

智慧は持って欲しいですけどね、、、。

 

ーー ええ、、、。

 

住職: 2014年に起きた

セウォル号沈没事故では、

痛ましくも多くの高校生が犠牲になりました。

あの時も、“そのままじっとしていて下さい”

という船内放送を聞き、言う通りにしていた

従順な高校生は逃げずに犠牲になって

しまいました。、、、

 

ーー 多くの韓国の高校生が犠牲になって、

本当に痛ましいですね。

 

住職: 僕は、彼らが皆不良だったらなあ、

と本当に残念です。というのは逆に、

そんなものを聞いていられない、

と早く逃げてサバイバルした高校生

もいるのです。

僕は、彼らは間違いなく、

学校生活では捻くれ者の部類だ、

と思うんです。

 

ーー きっと、そうなんでしょうね、、。

 

住職: いつの時代でも、政府の言うことや

マスコミの報道、また権威ある人や

「その他大勢」の意見を鵜呑みにしていたら

身の破滅を招くことは、

何よりも歴史が証明しています。

 

ーー 本当にそうですね、、、。

 

住職: 特にこれから世界的に

激動の時代になり、単なる良い子ちゃんでは

生きて行けなくなります。

ツボや経絡を観るように原始感覚を磨き、

自分独りの判断でサバイバルする。

一匹オオカミの智慧を磨く必要があります。

そもそも人生って、

そういうゲームなんですしね。

ドロップアウト者の智慧を磨く場を

提供するのが「タオサンガ」だ、

と僕は思っているんです。(笑)

<インタビュー後記>

耐えがたいような話の連続。

耳を覆いたくなるような、、。

どこかに悪意の固まりのような人物がいて

世界を操って喜んでいるんですか?!

という質問を住職にしたくなりました。

 住職に怒りをぶつけても

しかたないのですが(笑)、

「じゃー、一体、どうしたらいいんですか?」

と自暴自棄的な質問が湧き上がってきて

しまったほどです。

 でも一方では、夢を失った若者たちの

サバイバル術として、田舎でお年寄りと

タイアップする、というアイデアは

面白いです!もし、大量の脱都会人たちが

田舎に集まってコミュニティを創るのが

トレンドになったら、、、

ここに未来の活路があるのかも知れない、

と思いました。

夢のある話で聞いていてワクワクしました。

 それにしても住職の言う、

「ツボや経絡を観るように原始感覚を磨き、

自分独りの判断でサバイバルする。」、

「ドロップアウト者の智慧を磨くのが

タオサンガ」、、、。

どこからこんな発想が生まれるのか?

 仏教と言うと、厳しい戒律に従うという

イメージがありますが、“自分独りの判断で

サバイバルする、、”ということと仏教が、

どう関係するのか、、

次回聞いてみたいと思います。