第二十九回 ゴジラと原発は兄弟だ! いまを生きる私たちの使命とは・・? 

和田寺の住職は、タオ指圧/気心道の創始者、音楽家など、様々な顔を持つ遠藤喨及(りょうきゅう)さんです。

喨及さんにインタビューして、さまざまな質問に答えてもらいます。
一体どんな言葉が返ってくるのでしょうか・・?

遠藤 喨及
東京に生まれ、少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職、タオ指圧/気心道創始者、ミュージシャン、平和活動家、ゲーム発明家など、さまざまな顔を持つ、タオサンガ・インターナショナル代表。 1990年頃より、北米各地、ヨーロッパ各地、中東、オセアニアなどの世界各地で、タオ指圧、気心道、また念仏ワークショップ等を行い始める。 また、それらの足跡によって、世界各地のタオサンガが生まれ、現在、各センターは、仏教の修行道場、タオ指圧*気心道などの各教室、海外援助を行っている。 遠藤喨及個人ブログページもご覧ください。 http://endo-ryokyu.com/blog/


第二十九回

貧富の差は、国か個人か?

――天国と地獄が同居しているようなインド の話で、「輪廻についても考えさせられた」ことや、旅のその後の話もお聞きしたいと思っています。

住職:はい。

――インドの貧しい人々の、生きることに必死な様子、、、。また住職が、前回の最後におっしゃっていた、“インドにいると、「まるでぬるま湯のような金満日本」と、「そういう日本に生まれた自分」を見せつけられている、といつも感じていました。
「オマエは、一体何なんだ」と、自分の存在や 生き方を常に突きつけられながらの旅でした”という言葉は、印象に残りました。

住職:そうですか、、、。

――この言葉は、いまも「貧しい国」のことを見聞きするにつけ、私たちに突きつけられていると感じます。

住職:うーん、その「貧しい国」(と豊かな国)ということなんですが、、、。たしかに、債務超過に陥っているアフリカ諸国や、そのお金を貸し付けている欧米諸国のように、国単位の経済格差というものはあります。

――その構図は、少しは私にも理解できるようになりました。

住職:また、かつては日本のジャパンマネーが世界を席巻し、日本は「一億中流」と言われた時代がありました。
しかし日本も、今やすっかりアメリカのような格差社会となりました。

――そうですね、、、。

住職:そして、発言力の弱い者が切り捨てられている時代となりました。
これは、 今も尚、35万人の避難者が苦しい生活を余儀なくされていることに象徴されていると思います。

――ほんとうに、どうにかならないものかと、もどかしいです。

住職:一方、格差社会の先輩であるアメリカでは、今や三人に一人が貧困とすら言われています。

――そんなになんですか、、、。では、“貧しい国と豊かな国”という識別ができるものなのかは、疑問になってきますね。むしろ貧富の

問題が、国単位でなく個人単位になったということですか?

住職:そうなんです。もちろん、先ほど申し上げたように、債務国と債権国という意味での国の貧富はあります。
しかし国境を超えるグローバリゼーションは、地域の経済や生活、またコミュニティを破壊し、「豊かな国の中の貧しい人」をたくさん作りました。

――日本でも、そうですね。

住職:さらに、その原因がグローバリズムにあるのではなく、個人の能力だと思い込ませることにも成功したのです。

――「勝ち組/負け組」という言葉がありますものね。

住職:「競争に負けたオマエが悪い」という風潮で、貧しさの責任もまた、すべて個人が負わされることになったのです。

――そうなると、むしろブータンのように国全体としては貧しくても、個人が幸福というような方がよほど良いですね。

住職:日本も、経済規模が今よりもずっと小さかった時代の方が、個々の人が感じる幸福はより大きく、また不幸感はずっと小さかったのではないでしょうか? ほぼみんなが、貧しかったんだから。

――貧しさや失敗が、すべて個人の責任に帰せられる時代はキツイですね。だから、何度も落とされるのが当たり前にすらなっている

今の就活生や、ワーキングプアなどの人たちが苦しむのですね。そして、経済的理由で自殺する中高年が多いのでしょうね。

住職:問題が社会構造にあるのでなく、自分の能力のなさだ、と思いこまされている。それで、より苦しむのですよ。

グローバリゼーションが破壊した地域コミュニティ

――ところで、グローバリゼーションによって、どのように地域の経済やコミュニティは破壊されたのですか?

住職:田舎ではメインストリートがシャッター通りで、ほぼゴーストタウンになっているでしょう?

――家族経営の魚屋さんや八百屋さんなどは、ほぼなくなりましたね。

住職:これはアメリカと同じ現象なんですよ。家族経営の個人商店のことを、アメリカでは、「パパ&ママ の店」(Papa & Mama Shop)というんですが。

――へぇー、表現が面白いですね。

住職:アメリカでも「パパ&ママ・ショップ」は、大資本が経営する巨大スーパーに押しつぶされていったんです。

――、、、。

住職:かつて日本では、個人商店は法律で守られていたんです。

――そうだったんですか?

住職:大資本の大きな店ができたら、地域の店がつぶれてしまいますからね。

――地域の店がつぶれてしまえば、店主家族が失業するからですか?

住職:個人商店の店主は、店がつぶれたら大型店に雇われるぐらいしか仕事がなくなるでしょ。

――はい、で奥さんはスーパーのレジとか。

住職:でも、大型店ではそんなに人数がいらないから、ほとんどの人は失業してしまいます。
それに、いくら大型店が繁盛しても地元経済は潤いません。
地域の人々の経済を回していたのは個人商店群ですから。
それに、地域の仕事は一層減ることになります。

――はい。

住職:仕事を失った人は、都会に出ていく他はなくなります。
若い人はいなくなり、コミュニティは消失して過疎化が進む、という因果関係です。

――これは考えるのも恐ろしいことだけど、このまま何らかの手を打たなければ、日本の過疎地はやがて廃墟になっていくこともあり得るのでしょうね。
そういえば原発も、過疎地にばかり建てられていましたね。

住職:個人商店を守る法律は、小泉政権時代に変えられてしまい、その結果、アメリカなど海外資本の大型店がどんどん作られるようになりました。

――それで個人商店がつぶれて、今や日本中がシャッター通りなん<すね。
そうして地域の経済やコミュニティが 消失して行ったんですね。

住職:まあ、簡単に言えばそういうことです。

――なるほど、田舎の過疎化や地域コミュニティの消失の原因の一つは、グローバリゼーションにもあったということなんですね。

ということは、グローバリゼーションは、地域社会にとっては、国際化でもなんでもなかったということですね。

住職:「経済の自由化」ということは、“国際金融資本が、巨大なマネーの力で、人々のお金を自由に吸い上げることができる”という意味での「自由化」なんですよ。

――TPPは、グローバリゼーションの時と同じように、経済の自由化を謳っていますが。

住職:TPPは、一般の人々にとっては、グローバリゼーションよりもさらに悪い結果をもたらすことすら可能とするものです。

――どんなことが起きる可能性があるんですか?

住職:話が飛んでしまうし、申し上げても、にわかには信じられないと思いますので、このことは、それぞれで調べて頂きたいと思うんですが、、、。

――はい、、。

人類の心の闇としての国際金融資本

住職:グローバリゼーションは、国際金融資本によって地域のお金を吸い上げることが目的なのですが、それは氷山の一角に過ぎません。
国際金融資本は、個々の人の生活から世界全体にまで大きく関わっています。
ただ、僕が申し上げたいのは、なぜそんな、人類にとってネガティブなものが世界に存在しているのか、なんです。

――国際金融資本というのは、何なんですか?

住職:国際金融資本は表面的には、多国籍企業という形で、軍需産業、エネルギー、金融、食品、農業、医療、政治などのあらゆる分野に強い影響力を行使して、己れの経済的利益のために、人類の福祉や幸福とは真逆の動きをしています。
このために、人類はエネルギー問題、環境問題、飢餓や貧困問題など、人々が苦しむ物理的な問題を解決することが十分に可能であるにも関わらず、未だできないんです。

――本当ですか!?どうしてなんですか!?

住職:不思議でしょう?
でも本当なんです。例えば、昨年、空気で動く車がフランスで発明され、
インドの会社から秋から販売される予定でした。でも、そんな話、今は誰も聞かないでしょう?
石油を売ってお金を儲けたい企業がさせないように裏で手を回しているからでしょう。
原発は、ウラン販売でお金を儲けたい会社が稼働させようとしています。
これらは、すべて氷山の一角ですが。

――世界中の大気汚染のことを考えたら、空気で走る車があればどんなに良いか、、、。それを自分のお金儲けのために出させないようにする、、、。

まさに人類の福祉や幸福とは、真逆の活動なんですね。どうして、そのような悪魔的とも言えるようなことをするんですか?

住職:国際金融資本そのものに、善も悪もないのですが、これに仕えている人たちがいます。
彼らは、原始的な飢餓との闘いの時代から、ここ数百年の人類の無意識に潜むすべてのネガティブな心を背負い、私たちに突きつけるべく活動しているんですよ。

――どのような無意識のネガティビティなんですか?

住職:現代で言えば、「お金を儲けることに最も価値がある」という、人々の無意識ですね。

――現代の人はみんな持っていますよね。そんな空気、、、。

住職:だから、国際金融資本に直接仕えている人たちや、さらにその配下の人たちや、そういう企業で働いている人たちだけの問題ではないのですよ。

――私たちの問題でもある。

住職:先の「お金を儲けることに最も価値がある」という空気は、小さなところでは、家庭の教育からだって生まれていますよね。
例えば母親が、小学生の子供に対して、友だちに思い遣りを示すことよりも、テストの点数を上げることの方をより多く誉めたり奨励したとします。

――何だか、どこの家庭でもありそうな話ですね。

住職:それは、「高得点→高学歴→大企業→高収入」という風に、お金を稼ぐことに最大の価値がある、と子供の無意識に刷り込んでいることでもあるんです。親本人も無意識でそう思っているのでしょうが。

――親からのこういう刷り込みは、大きいですね。

住職:また例えば、父親が子供との約束よりも仕事を優先するのなんていうのも、普通にありますよね。
例えば、、、。
パパ  “ごめん、パパお仕事で遊園地行けなくなっちゃったんだ。”
子供  “えー、あんなに約束したのに?!”
ママ  “パパお仕事なんだから、わがまま言うじゃありません”

――よくあるパターンですね。

住職:それは子供の無意識には、どのようなメッセージとして伝わるか、というと「お前との約束よりも、お金を稼ぐことの方が価値がある」なんです。

――いやー、これが伝わるのはつらいですね。

住職:仕事でなく、“急に誰かのために、何かをしてあげなくてはならなくなったけど、その代わり、いつには必ず行くからね”なら、まだ良いんですけどね。

――まあ、父親にしてみたら、子供が“父親は自分との約束を守ってくれた”という信頼体験によ って、“自分は大切にされている”と感じることよりも、お金を稼ぐことの方に価値を置いているのかも知れませんね。

住職:だから、“これは生活のためなんだ、オマエたちのためなんだ”というのが、そのときの常套文句ではありますね。

――それは将来に対する不安からくるのでしょうが、お金になるかどうかが価値基準であり、またすべての行動基準であるというのは、恐らく、すべての現代人の無意識に刷り込まれていることなのでしょうね。

住職:何ごとも「仕事」優先というのなら、まあそういうことになりますかね、、、。

――“仕事だから、、、”と言われたら、たとえ約束破られても、自分が必要とするときに来てくれなくても、誰も文句言えないですものね。

住職:もっともタイあたりだと、“飽きたから、、、”という理由で、仕事を平気でやめちゃったりするんですよね。

――へぇー、面白いですねー。あはは。

住職:タイでは、たとえお金がなくても、小金のある親戚の家にもぐりこんだりして、のんびり生きることができるんですよ。

――コミュニティのセキュリティがあるんですね。

住職:これに対して、経済的な成功も失敗もすべて自分の責任で、たとえ何かあっても、自分を守ってくれるコミュニティがないのが、日本人や欧米人の人生です。

――、、、。

住職:“自分以外は誰も頼れない”は、イコールお金しか頼るものがないということです。ある意味これは、“神しか頼るものがないから神が絶対”という、宗教の心理構造と同じとも言えます。

――ええ、、。

お金との信仰上の取引

住職:ようするに現代人のお金至上主義とは、実は信仰なんですよ。
お金は利子によって増殖するから、人々は無意識に畏敬の念を抱くんですよ。

――ああ、そうですね。

住職:現代人がお金に対して無意識 に思っていることは、“きっとお金は、自分に報いてくれる。自分の将来の身の安全を保証してくれる。”なんですよ。

――お金さえあれば何とかなる、という、、。

住職:そんな、信仰上の取引みたいなものが、お金に対して無意識に働いているのではないか、と思います。
だから、何ごとも自分の快適さや将来の保証を第一にして、あくまでもお金のために仕事をすることに価値を置くんですね。

――お金という神に仕える信者にとっては、お金のために仕事をすることが修行なんですね。あたかも神に身を捧げるように。

住職:そのお金信仰という人々の無意識を反映し、それを巨大な力で体現しているのが、国際金融資本という怪物なんです。
国際金融資本に仕えている人たちは、無意識的には、まさにお金という神に仕え、お金を儲けることを至上命令として献身しているのです。

――なるほど、共通しているんですね。彼らは、私たちの中に住んでいる怪物を体現しているのですね。

現代人の無意識を体現している国際金融資本の活動

住職:だから彼らにとっては、お金を儲けることが善であり、絶対の基準であり、また行動規範です。金儲けのために他の人々が貧困に陥ったり、病気になったり、死んだりすることに対しても、一切考慮しません。
すべて、金が儲かるかどうか、それだけが活動基準です。

――言葉がでません。

住職:一例を上げると、先進国で赤ちゃんにインスタントコーヒーの粉末を食べさせる人はいないでしょう。

――はい。身体に悪い上、赤ちゃんの成長を阻害するでしょうからね。

住職:でもアフリカでは、自分たちの食費を削ってでも、赤ちゃんにコーヒーを飲ませる親が少なくないんです。

――ええっ、それはまた、どうしてですか?

住職:多国籍企業のネッスルが、「コーヒーを赤ちゃんに飲ませると賢い子供になる」と大きく宣伝しているからですよ。

――昭和時代の味の素じゃあるまいし、、。

住職:あれも企業戦略の1つでしたね。また戦後すぐは、角砂糖が血液をきれいにすると言って売っていたそうですよ。

――それもひどい話ですね。

住職:現在、アフリカで起こっていることは、対岸の火事ではありませんよ。今、先進国でも同じことが起こっています。

――どんなことですか?

住職:例えば、ワクチンをしきりに宣伝して打たせているでしょう?
効果がないばかりか、有害な物質を、あたかも効果があるかのように宣伝しています。
これはアフリカで宣伝によって、赤ちゃんにインスタントコーヒーの粉末を食べさせているのと変わりませんよ。

――TVコマーシャルでもしきりに勧めていますよね。宣伝で人々を騙して有害なワクチンを打たせたり、赤ちゃんにインスタントコーヒーの粉末を食べさせたりするような人たちに、良心はないのですか?

人の犠牲の上に儲けたお金はいらない、と思うのが人間ではないですか?

住職:思い出して下さい。我々の絶対的な「お金信仰」という、無意識の闇を体現しているのが彼らですよ。
「お金のためにウソをつくことができる私たち現代人の無意識と、どう違うんですか?」と聞かれたら、どう答えますか?

――うーん、、、。お金第一主義が一般的な風潮であることを考えると、まさにその通りですね。
いやー、国際金融資本の存在を知り、これが人類の幸福を阻害していることを知ることは、まさに自分たち現代人のネガティビティそのものと向き合うことでもあるんですね。

より良い地球を残すために

住職:例えば、ユングの本にも、我々の無意識にある、物質文明に対する破壊衝動の象徴として、怪獣ゴジラが出てきますよね。

――それは、知りませんでした。

住職:ゴジラも金融資本も、人類の良心の反映ではなく、我々の無意識に潜む「闇の部分」の反映です。

――はい。

住職:そもそも、都市を破壊するゴジラに良心を期待してもムダですよね。

――それもそうですね。

住職:ゴジラに良心を期待できないように、同じ心の闇の現象化である“国際金融資本に仕えている人たち”に、良心を期待することはできないのです。

――彼らの存在が、我々の無意識の良心の反映ではなく、人類の心の闇の反映だからなんですね。

住職:怪獣映画では、人間が力を合わせて怪獣を倒したり、モスラみたいな善玉怪獣が出て来てやっつけたりするんですが、ハッピーエンドでは終わらないんです。怪獣映画は例外なく、しんみりムードで終わります。

――たしかにそうですね、どうしてですか?

住職:怪獣が自然に生まれたものではなく、核実験とか、人類の闇の部分から生まれたものだからなんですよ。

――その闇を観客につきつけて終わるということなんですね。

住職:ところで原発も、ゴジラと同じ原爆の副産物ですから、兄弟みたいなものなんです。

――なるほど、原発が怪獣だと思えば、ウラン産業の国際資本や、これに背後で操られているであろう原発推進派に良心を期待しても、無理だということなんですね。

住職:まあ、そうです。そもそも人類の精神レベルは、未だ発展途上なんです。
惑星単位で言えば、地球は精神的には未だ「発展途上星」です。

――逆にいえば、まだまだ進化する余地があるということでもある、、。

住職:人類も、精神的にもう少し深化して、お金を価値基準とする精神レベルから、今や、卒業すべき時ではないでしょうか?

自分の身過ぎ世過ぎに身を費やすのも結構ですが 、自らの心の闇を掘り起こし、これを乗り越え仏性を輝かせる霊的向上を求めて修行することが大切だと気づいても良いのではないでしょうか?

――はい。

住職:人類一人一人が自らに潜む無意識の闇と対決し、これを乗り越えていくことによって、はじめて、これを体現している国際金融資本という怪物が力を失っていくのです。

――国際金融資本の非人道的な活動を非難するだけでなく、自分の中にもある彼らと同じ無意識を乗り越える必要があるということなんですね。

住職:彼らは、そのために存在しているのかも知れませんよ。

――生活のためだからという理由で倫理に反する経済活動を行う人が減れば良いのですね。

住職:例えば今はまだ、販売用には農薬で育てた作物を出し、自分たちが食べるのは、無農薬の健康的な野菜だ、なんていう農家があるかも知れません。

でも、そんな悪徳農家などない、人間としての倫理を曲げてでも経済的利益を優先するということを卑しいと感じる精神性を持っていることが、当たり前という時代になれば良いのです。

――そうしたら、身体に悪いとわかっているものを売る人などいないでしょうしね。

住職:そうなれば、悪巧みをする多国籍企業なんて、たちどころに力を失いますよ。
今まだ強い力を持っているのは、同じ精神構造を持っている人が多いからに過ぎません。
百匹のサルの現象と同じで、人生に利益よりも高貴さを求めるような霊的に豊かな人が増えれば、全体の風潮は確実に変わります。

――そうですね!敵は外にいるわけではなく、内にいるのですね。

住職:影との対決によって生まれる智慧が光であり、その霊的な光が時代を先読みさせるのです。
特に今は、環境的にも経済的にも危機に向かっている時代です。
だから、誰かのお告げを待つのでなく、霊的修行によって各自が智慧を開いていかなければなりません。
それが、今を生きる私たちの使命です。

――はい。

住職:今や、世界の幸福を阻害しているものの存在が明らかになっていく時代です。
それは人類が、旧時代の悪しき無意識を卒業する時期にきたということではないでしょうか?

それは、真の幸福をもたらすものは何かを知る時代に入ったということでもあると思います。
各自が自らの闇と対決し、光と出会うことで、より良い地球を残すことができるのですから。

――今日はありがとうございました。
ところで終わってから言うのもなんですが、「輪廻についても考えさせられた」ということや、旅のその後の話も聞かせて頂きたかったのですが、、、。

住職:はい、では次回に。

―続く―