住職の人生相談コーナー
・・・なんでも質問箱に寄せられた「人生相談」
ここに、あなたと同じ悩みがあるかもしれません
目からうろこの回答があるかもしれません・・・
*******************
遠藤 喨及
東京に生まれ、少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職、タオ指圧/気心道創始者、ミュージシャン、平和活動家、ゲーム発明家など、さまざまな顔を持つ、タオサンガ・インターナショナル代表。 1990年頃より、北米各地、ヨーロッパ各地、中東、オセアニアなどの世界各地で、タオ指圧、気心道、また念仏ワークショップ等を行い始める。 また、それらの足跡によって、世界各地のタオサンガが生まれ、現在、各センターは、仏教の修行道場、タオ指圧・気心道などの各教室、海外援助を行っている。遠藤喨及個人ブログページもご覧ください。
http://endo-ryokyu.com/blog/
◎受験シーズンです。
普段よく勉強していて、合格間違いなしの成績であっても、本試験で振るわず落ちてしまう人もいますし、普段あまり勉強に熱心ではなく、合格推定点にも足りない人が合格してしまう場合もあります。
この違いは何によるのでしょうか?
そしてその違いは、埋めることができるのでしょうか?
我々は通常、「合格する=良い」、「合格しない=ダメ」と考えます。
しかし長い目で見たら、必ずしもそうとは限りません。
例えば、合格して希望の学校に入っても、あとでうまく行かなくなる人がいます。
逆に、本命が不合格だったために入学した第二次志望の学校で、将来に繋がる良い縁ができる、という人もいます。
つまり、何がよくて何が悪いかは、後になってみないとわからないものです。
(僕もそんな経験をたくさんしました)
ただ、ここで言えることがあります。
それは何ごとも、‟きっと自分の未来のためには、これが良いことなんだろう”と前向きに考えることです。
もちろん、気持ち的にはなかなかそう思えないこともあるでしょう。
でも、悪く思ったところで結果が変わるという訳ではありません。
ならば、前向きに考えることで、少なくとも気持ちは明るくなります。
気持ちが明るくなれば、「笑う門には福来たる」で、良いことが起こります。
僕は、”こういう点では、信仰心のある人は明るい気持ちになり易いから、人生は有利だな”と思います。
◎身近な死(その自覚がない時も1度)に出会うと呼吸が苦しくなり、水に顔をつけられなくなり、食事もできなくなります。
周りに誰かがいてくれると、それが、浅かったり、軽かったりします。
今まで長い周期で何度かありました。
これが起こった時、自分自身で素早く改善する方法がありましたら、教えていただけませんか?
潜在的に死への恐怖が強いために起こるのでしょうね。
人よりも、いろいろな意味で「敏感」なのだと思います。
どうやらあなたは、「お前は死の問題をどう解決するのか?」という公案を
人生からもらっているようです。
せっかく頂いた公案です。「死の恐怖から来るパニックが起こった時の措置」
という風に、対症療法的に考えるのでなく、「死の恐怖をどう乗り超えるか?」という課題に向き合ってみる気にはなられませんか?
これの処方箋は仏教にしかないので、いささか手前味噌のように聞こえることでしょうが、、、。
※公案・・・禅の師匠が弟子に課すナゾの設問のこと。
弟子はこの答えを出そうと、座禅しながら必死に思惟する。
◎幸せになるためには「徳積み」をしなさい、とよく言われます。
では、具体的に何をすれば「徳積み」になるのでしょうか?
「人の喜ぶ顔を見たいと思って、喜ばせる行動をすること」。
これが徳積みです。
特に陰で、人にはわからないように、人の喜びのためにする行動は、「陰徳」を積むことになります。陰徳は、尊いものです。
もっとも、「自分が幸せになるため」にやっても、それは徳積みにはならない
のでご注意くださいね。
◎遠藤周作先生の「沈黙」がまた映画化されました。
テーマは「神が正義ならば、このような苦しみの時になぜ救ってくれないのか」という根源的な問いにあります。
ご住職はこの問いにどのようにお答えになりますか?
キリスト教は、この問題で何百年も論争してきたんです。
しかし実は、このような問いを発すること自体が、神に対する誤解に基づいているんです。
というのは、この誤解は、幼児期に抱いていた両親イメージの投影である「神観念」に縛られた結果、生まれるものだからです。
本当は、私たち一人一人が宇宙大霊の顕れなんですよ。
一人一人の中に、全能の神は内在しているんです。
人生も輪廻も、これを掘り起こすためのものなんです。
このことは、頭ではわかりません。いつの日か修行して、直接、体験するしか
ありません。
ご質問は、神を直接体験し、自分自身で答えを出すしかないのです。