和田寺の住職は、タオ指圧/気心道の創始者、音楽家など、様々な顔を持つ遠藤喨及(りょうきゅう)さんです。
喨及さんにインタビューして、さまざまな質問に答えてもらいます。
一体どんな言葉が返ってくるのでしょうか・・?
遠藤喨及 東京生まれ。少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職の他、タオ指圧/気心道創始者、作曲&演奏家、海外支援や平和活動を行うNPOアースキャラバン代表、ゲームCHATRANGA考案者等、多才な活動で知られている。
90年の初頭から現在に至るまで、北米各地、ヨーロッパ各地、中東(イスラエル、パレスチナ)、オセアニアなど世界各地でタオ指圧、気心道、また仏教ワークショップを行っている。
またその足跡によって、世界10カ所にタオサンガが生まれ、各センターで、タオ指圧の施術と指導や念佛修行、海外支援活動などが行われている。
遠藤喨及個人ページ http://endo-ryokyu.com/
「希望の火」が、ローマ教皇のミサで灯される瞬間。2019年11月25日 東京ドームにて
「希望の火」が
ローマ教皇の東京ドームミサで灯されるまで
東京ドームミサに「希望の火」を届ける 映像
ーー 今年の6月のインタビューで、
「希望の火」プロジェクトについて
うかがったときに、宗教者だけでなく人類が
協力しあってつくるという壮大な
試みに感動しました。
住職: そうですか。感動して下さって、
ありがとうございます。
ーー その時点では、
3月にローマ法王に謁見し「原爆の残り火」
を吹き消していただくことが実現していました。
2019年3月20日、バチカンにて、
「原爆の残り火」を吹き消していただいた瞬間
住職: そうですね。
ーー その後は、過去の悲惨さの象徴である
原爆の残り火を、人類共通の平和の祈りを
込めた「希望の火」に変容させる、と。
そのために宗教施設などを自転車で巡り、
様々な祈りを込めた火を、
東京で行われるローマ教皇のミサで
灯していただく、、ということ
をお話いただきました。
住職: はい。
ーー 9月~11月、この「希望の火」の
ことがいろいろなメディアにも掲載され、
ついに東京のローマ教皇のミサでも
灯されたことを拝見しました。
住職: はい
ローマ教皇の長崎のミサでも灯された「希望の火」
2019年11月24日
ーー 次々に話されたことが実現していく
ので驚くと同時に、話を聞いたときにすでに
「そうなる」ということを、何となく感じて
いた気がしています。
住職: そうですか?
こっちは途中、何度もめげそうになって
いましたけどー。(笑)
ーー そうなんですか?
住職: 途中、このままでは、
誰がどうみても実現が不可能だと
思うようなことが、いろいろと起こるわけ
です。
ーー あっ、そうなんですか?
どんな困難があったのですか?
住職: あまり公にできないので、
具体的には申し上げられないのですが、
特に、最終ゴールの東京ミサに関しては、
途中、弱気になって、何度か一瞬、
諦めかけました。
ーー 住職でも?
住職: はい。
数十秒から数分、ちょっと絶望して
うずくまるんです。
でも、その後
“待て! 勝負はここからだ!” と、
ふいに頭を上げるんですね。
ーー そうなんですかー!
住職: 最後の方には、
ただひたすら実現に向かってがむしゃらに
動いているだけでした。
僕の中で もはや“結果は、二の次” になって
いましたね。
ーー 結果は、二の次だったんですか!
住職: チームみんなが、
次は何をするかを考え、ただやれることを
すべて恥も外聞もなく、ひたすらやるだけでしたね。
バチカンの異宗教者会議で会った人に、
ヨーロッパまで電話しました。
在東京バチカン大使館に面会を
申し入れたり、
外務省の人につないでもらうため、
県会議員に相談したり、、、。
1日中、みんなでそんなことを
やり続けていました。
原爆の残り火をはじめてヨーロッパまで
運んだ時もそうでしたが、思いつく限り、
ありとあらゆることをやり続けました。
ーー すごいですね、、、。
それで結果が出たわけですが、住職は、
いまどのように感じていらっしゃいますか?
住職: ものごとが実現するには、
何事も当然、困難がつきまといます。
そしてものごとは、
自分1人では決して実現しません。
実現には必ず、これを支える他の人を
必要とします。
ーー はい。
住職: 「希望の火」をローマ教皇の東京ミサで
灯す、という今回のミッションは、
誰1人が欠けても実現しなかったことです。
そういう意味では本当に良いチームメイトに
恵まれた、としみじみ思って感謝して
います。
途中、ミッションを放棄する人も
いませんでした。
最後までみんなが責任を持って、
それぞれの持ち場で全力を尽くしたと
思います。
ーー 戦場で共に闘う部隊みたいなもの
だったんですね、、、。
住職: 戦況がどんなに大変になっても、誰も逃亡兵にならず(笑)、
信頼し合える”戦友”として共に戦っていました。
「希望の火」プロジェクトは、一方では新しい人類史を始める、
ぐらいの気持ちがありました。
でも、同時に僕にとっては、困難を克服
していくゲームでもあったんです。
ーー ある面、ゲームとして
やっていたのですか!?
そういえば、
「人生とは困難を克服していく過程を
楽しむゲームである」という住職の言葉が
ありましたね。
住職: 結果を出すためにやっていたら、
今回のミッションほど苦しいものはなかったです。
でも、困難を克服していくゲームだと思う
ことで、苦しみの中にも楽しさが
ありました。
とある新聞の記者さんに
「困難なことが起きるのを、これほど楽しんでいる人に
はじめて会いました」と言われました。
(笑)
ーー へぇー!
住職: 今回のゲーム(ミッション)を
通して智慧が磨かれたし、自分自身も
含めて、皆が成長できたと思います。
僕は、ローマ教皇のミサで「希望の火」が
灯ったという結果よりも、
あれほどの困難にも負けず、みんなで
必死に頑張ったことに価値があるし、
そこにこそ「希望の火」の価値があると
思いました。
ーー そうなんですか!
住職: 「希望の火」が尊いのは、
宗教などの垣根を超えて人々が祈りを
込める火だからです。
しかし僕自身はむしろ、「希望の火」を
創っていく過程で人々が共に捧げる、
無私の行動にある、と思っています。
2019年11月25日、東京ドームで
「希望の火」を採火後にカトリック神父修行者たちと記念撮影。
〇2019年6月号住職に聴く!『人類初の試み、「希望の火」プロジェクト』
〇「希望の火」HP
https://flameofhope.jp/
インタビュー後記
写真に映るチームのみなさんの
ほんとうに清々しいお顔!は、
インタビューのなかでも触れられている、
困難を克服したからこその輝きに
感じられます。
「人生とは困難を克服していく過程を
楽しむゲームである」ということを
貫くのは、、、
つまり、恥も外聞もなくなんでもする
というのは、実は楽しいんだよと、
住職はおっしゃっているのだろうと思います。
そこには、やはり相当に強い気持ちが
感じられます。
「「希望の火」プロジェクトは、
一方では新しい人類史を始める、
ぐらいの気持ちがありました。」
と話されたように。
「希望の火」の巡礼が、
世界を変えていく予感、
静かな足音が聞こえてくるようです。
来年も住職のお話を聞くのが楽しみです。
\(^o^)/