和田寺の住職は、タオ指圧/気心道の創始者、音楽家など、様々な顔を持つ遠藤喨及(りょうきゅう)さんです。
喨及さんにインタビューして、さまざまな質問に答えてもらいます。
一体どんな言葉が返ってくるのでしょうか・・?
遠藤 喨及
東京に生まれ、少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職、タオ指圧/気心道創始者、ミュージシャン、平和活動家、ゲーム発明家など、さまざまな顔を持つ、タオサンガ・インターナショナル代表。 1990年頃より、北米各地、ヨーロッパ各地、中東、オセアニアなどの世界各地で、タオ指圧、気心道、また念仏ワークショップ等を行い始める。 また、それらの足跡によって、世界各地のタオサンガが生まれ、現在、各センターは、仏教の修行道場、タオ指圧*気心道などの各教室、海外援助を行っている。 遠藤喨及個人ブログページもご覧ください。 http://endo-ryokyu.com/blog/
第四回
--ところで、住職にお聞きしたいことがあります。それは、「この世界の悲惨さの根本にあるものは、一体何なのか、、、? 」ということです。なぜ、アースキャラバンをする必要があるのか? 私はこの壮大なイベントが、人類の無意識に影響を与えるのではないか、という気がしています。そして「アースキャラバンを実現することは、この世の悲惨を造り出している根本原因への挑戦だ」、という気がするのです。が、住職は、どう思われますか?
住職:この世界の悲惨さというと、人間界の悲惨さということですね?
ここで、人間界と他の霊的世界における苦楽の比較をしてみましょうか、、、。
--はあ、、、?
住職:天上界には苦よりも楽しみが多く、浄土には楽の極みしかないんです。
でも逆に地獄や餓鬼界は苦しみしかない。そして、修羅界は、楽より苦しみの方が多い。で人間界は? というと、ちょうど苦と楽が50%ずつなんですね。
--、、、、。
住職:僕がなぜこんな霊界の苦楽の話を始めたのか? 妙だなと思っているでしょうね。
--、、、はい、そうですね、、、。
住職:一見、人間世界の悲惨さを作り出しているのは、軍需産業だったり、遺伝子組み換えなどの毒物食料を生産する穀物会社だったり。また、それらのポチである政治家だったりすることでしょう。
--ええ、、、。
住職:軍需産業やライフル協会の言い分は、例えば「相手が危険だから武器で自分たちを守らなければならない」というものです。
--はい。
住職:でも武器がなければ、そもそも殺人はできない。こんなことは子どもでもわかる話ですよね。 ではどうやって武器のない世界を実現するのか?
各国が軍隊を一時国連に預け、国連軍が世界の刀狩りをすれば良いだけの話です。
--確かに、そうですよね、、。
住職:原発だって、もう何年も日本で稼働していないのに何ひとつ問題はない。原発がなければ日本は動かないなんていうのでは、本来なら子どもでも騙せない話ですよ。
--その通りです。
住職:人間界の下には、修羅界という世界があります。
ここでは一日一度、攻められる。(神々に攻められるんだったかな?)
それで、すごい恐怖に定期的に怯えなければならないようなシステムになっています。これに対して人間界はどうでしょう? 定期的に自然現象としてやってくる恐怖は、死の恐怖だけです。これは見えにくくなっていますよね。通常は死を忘れるように、考えないようにして世の中成り立っていますから。
--そうですね。
住職:でもそれは「食べていけなくなったらどうしよう?」という不安恐怖に形を変えて私たちの内面を攻めるているのです。
--確かに、その恐怖は根強いです。
住職:この「食べていけなくなったらどうしよう?」という不安恐怖はさらに、「生活のため」という言葉に形を変えます。「食っていけなくなるから」と、、、。
--はい。生活を安定させるのが至上命題のようなところがあるのではないでしょうか?
住職:それは死への恐怖が形を変えたものに過ぎないんです。さて、この世の悲惨さを作りだしているものの1つに原発があります。「原発は電力を供給するものであって悲惨なものではない」と言われるかも知れません。でも、15万人が故郷を追われて難民になるなんて異常なことは、戦争で起きるようなことですよ。当事者にしてみたら、悲惨以外何ものでもないことでしょう?
--ほんとうに、その通りです。
住職:原発を稼働するのは、政治家でもメーカーでも電力会社でもありません。電力会社に勤めている作業員です。彼らだって原発に賛成していないかも知れません。ではなぜ稼働スイッチを押すのか?
--「生活のため」でしょうね。
住職:辺野古で基地建設反対の住民を蹴散らしている機動隊員には沖縄県民だって多いことでしょう。彼らがなぜアメリカの基地建設に加担するのか?
--それも生活のためでしょうね。「こんなことしたくないけど、しなければ家族が路頭に迷うから、、、」と内心思っているかも知れないですね。そしてその言葉の前には、みんな何も言えなくなる、、、。
住職:遺伝子組み換え食品が危険であることは、これを販売している会社の研究室にいる人間が一番わかっていることでしょう。彼らもまた「生活のために=お金のため」やっていることなのです。ワクチンが危険であるという真実を知っていながら接種させる人も。
--、、、確かに、そうですね、、。
住職:いずれにしても、原発を実際に稼働するのも、辺野古住民とぶつかるのも、危険な食品を販売するのも、ワクチンを打つ人も、すべて末端の人間です。そして多国籍企業に仕えるポチ政治家は、中間管理職みたいなものです。軍需産業などの多国籍企業の社長ですら、生活のためお金のために雇われているのに過ぎないのです。
--そういう意味では、どちらも同じなのですね。
住職:そして例えば、もし原発に反対する人自身が、「生活のため」という言葉を生きる土台として自らの行動を処しているならば、それは原発を稼働する人たちや政治家と同じ地平に立っているということなのです。
--その通りです、、。
住職:先ほど申し上げたように、この世の悲惨を造り出しているのは、一見、軍需産業や原子力村や、ポチ政治家のように見えます。でも実際には、「生活のため」ということばで身を処して生きる一般の人のこころであり行動なのです。
--はい。自分や自分の家族さえ良ければ良い、という生き方もそこから生まれるものなんですね。
住職:多くの人がそういう生き方をしている世の中に私たちは生きています。それ自体が悲惨といえば悲惨ではないですか? 「みんなが他者の幸せに責任を持つようにならなければ、世の中は変わらない」これはヘレンケラーのことばです。もしみんなが互いの幸せに責任を持つようになれば、少なくとも食べていけなくなったどうしよう? なんていう不安恐怖は相当薄らぐはずですよ。
--そうですね。
住職:そういう世の中になっても、危険だとわかった人が原発の稼働スイッチを押すでしょうか? 基地に反対する末端の機動隊員が、住民を蹴散らすでしょうか? ワクチン接種が危ないとわかった職員がいたら、その人は子どもにワクチンを打つでしょうか? しませんよ。人がお金のために動かなくなったら、世の悲惨は立ちどころになくなりますよ。
--そうですね、多くの人はマスコミや教育によって洗脳されているのでしょうね。自分たちの首を閉める憲法九条改正みたいなものでも、平気で賛成しちゃったりしますから。
住職:世の中の刷り込みを受けることと、不安恐怖に基づいて生きることとは、実は心理的に表裏一体でセットなんですよ。人に何かを信じさせようと思ったら、まず不安恐怖を与え、その上で解決方法を示す。これはカルトの常套手段ですよ。「この世の終わりが来る! でもXX教の信者は助かる」とかって、よくあるでしょう。
--「日本が危ない。自衛隊を強くしよう!」とかですね。
住職:不安恐怖に煽られたら、それを乗り越えて智慧を持たないと、まるでカルトの信者のように間違ったことでも信じ込まされてしまうのです。
だから私たちが立ち向かっていくべきものは、人間の根源にある不安恐怖です。そしてこれを乗り越えて、明るい世界を創って行こうという、明確な意志のある人たちと手をつないで行くべきだと僕は思っています。地球の未来は、そのような人たちによって、はじめて明るいものになり得るのですから。僕はそれこそが、アースキャラバンの根源にある人類の無意識に向けたメッセージだと思っているのです。
「アースキャラバン2015」ホームページ http://www.earthcaravan.jp/index.html