ーー 前回のインタビューで住職は、
ローマ教皇や、ダライ・ラマ法王に謁見し、
「希望の火」に祈りをこめていただいたことで、
”人類を利他の祈りで融合させる”、
「希望の火」の使命がはっきりしたと、
話されていました。
住職: はい。
ーー 現在も、いたるところに分断があります。
国、民族、宗教、個人、、。
人類はもう、かなり危機的な状況に
あるのではないかと感じます。
住職: 分断はあくまでも結果であって、
むしろ、個人の内面的な危機の方が大きい
と思います。
ーー 内面?
住職: 多くの人は、魂がすでに死んで
いるか、死にかけていると思います。
ーー 魂、ですか。
住職: これは生きていることの定義の
問題でもあります。
そもそも、死なないために生きている
のでは、生きていると言えるのでしょう
か?
多くの人が、恐怖のため、無難に、
保身的に生きている。
これは、「死なないように」生きている
ということだ、と思います。
それでは、身体が動き、言語機能や
認知機能に障害はないけど、
単に肉体が維持されているだけに
過ぎないのではないか。
これと「生命維持装置で死んでいない
状態」と、どう違うのか?
人間の魂が生きていない状態は、
人間として生きていないのと同じでは
ないかと思います。
ーー そうですね、、、
そうだと思います。
住職: 死んだ魂を復活させる
唯一の方法。
それが、利他に生きることだ、
と僕は思っています。
そして、利他が人を融合させることを
現実として体験できる場を、
ワークショップで提供しています。
それは、利他の祈りだけが、ただ唯一、
人の魂を生き返らせ、人類を融合させる
可能性がある道だからです。
ーー 利他に生きること。
住職から、利他の祈りについて
何度かお話をうかがってきました。
その、利他の実践として、
インド巡礼がある(あった)
と理解してよいでしょうか?
ところで、インド巡礼は、その後、
どのように進んでいったのですか?
住職: その後、僕は晴れて念願の
タイへ移動し、ちょっと9日間ほど
サボらせて頂きました。
これ、全然、利他じゃないですね。
あはは!
ーー ふふっ。
その間、チームの方々は
どうされたのですか?
住職: お釈迦さまの生誕地である
ネパールのルンビニに行っていました。
ーー 別行動されたんですね。
ルンビニでは何を?
住職: そこに常灯されている国連の
助成で設置された「恒久平和の火」と、
「希望の火」の合祀セレモニーなどを
行うためです。
そのセレモニーでは、釈迦族の末裔の方が
火を合祀して下さったそうです。
ーー えっ! 釈迦族の末裔の方?
なんだか、歴史が連なっている実感が
(笑)
恒久平和の火
釈迦族の末裔の方
「恒久平和の火」と合祀された「希望の火」とともに
住職: 約10日後に、僕はデリーで
チームに合流しました。
そして翌日、ガンジーのひ孫さんである
トーシャガンジーさんと共に、
マハトマガンジーのお墓に常灯されて
いる、永遠の火と希望の火の合祀
セレモニーを行いました。
ーー すごい話ですね。
住職: ガンジーファミリーの方々は、
「希望の火」にいたく感銘を受けられた
ようです。
別のひ孫の女性からも連絡が来て、
永い間、話し合いました。
また、ひ孫のトーシャガンジーさんも、
共に活動していかれることになりました。
ーー ともに活動するというのは、
実際にはどういうことなのですか?
住職: トーシャさんには、
「『希望の火』を国連に持って行く
べきだ。僕が仲介する」
と言われていました。
また、「世界には、自然の中で発火して
燃え続けている火が各地にあるから、
人間と自然の融合の象徴として、
それらも採火していくべきではないか」
との提案もされました。
そして「自分も、ぜひこの運動に
加えて欲しい」と。
トーシャガンジーさん(右から二人目)と共に 「永遠の火」と合祀された「希望の火」
ーー 希望の火は、何だか本当に、
すごいことになっていますね。
住職: 世界に燃え広がっている感じ
ですね。
あと、これはダライ・ラマの所に出発
する少し前に感じたことなのですが、
ふと、”あ、「希望の火」って今はもう
人の願いを実現するパワーを
持ち始めているんだな”と思いました。
ーー あ、そうなんですか。
住職: アヤシイ話なので、人に言わ
ないで黙っていたんですが(笑)。
アリスも、その2日後ぐらいに電話で
同じことを言い出したので、驚きました。
ーー へぇー!
住職: ダライ・ラマの法話会で、
6万人の祈りが込められた後、
「希望の火」のランタンを持って
インドの街を歩いていると、
不思議なことに、何人もの方が、
頭を下げてランタンの端に手で触れ、
その手で自分の頭に触れていくんですね。
ーー タイとかで、願いを叶える
仏像に手を触れて、その手で頭に触る、
みたいな感じですか?
住職: そうそう、そんな感じ。
それを見た時、出発する前に、
ふと感じたこと(希望の火に宿った、
人の願いを実現するパワー)と、
何か繋がるものがあったんです。
それで今、「希望の火」の不思議パワーを
体験して頂くワークショップを行っています。
ーー 人類の新しい祈りの象徴として
生まれた「希望の火」が、不思議な力を
持ち始めているんですね。
もしかしたら、そんな歴史の瞬間に
立ち会っているのかも知れない、
と思ったら、何だかワクワクします。
住職: いや〜、単に一時のあだ花で
終わるかも知れませんよ。
逆に、もしかしたら、歴史上、
すごいことになるのかも知れませんけど。
さあ、果たしてどっちに転ぶのか。
僕としては、人生かけてギャンブル
やっているみたいで、
楽しくてやめられませんねぇ〜。
ーー 人生かけたギャンブルですか!
ははは! それも凄い話ですね。
その後、ムンバイに向かわれた、
ということですよね。
住職: その後のインドの旅路も、
ミラクルの連続でした。
ーー へぇ〜! そうだったんですね!
ところで、このインタビューの初回で
話されていた、アンベードカル博士は、
どのような方なのですか?
住職: とても、大きな話なので、
次回にしますね。
<インタビュー後記>
インドって、底知れないパワーを
感じますね。
住職の話をうかがって、「希望の火」と
インドの出会いは、もしかしたら、
すごい計らいなんじゃないかと思いました。
釈迦族の末裔の方、ガンジーのご子孫との
出会い、、、。
トーシャガンジーさんの、
自然発火の火を採火していくという
提案にも、驚きました。
それも、「希望の火」のスケールを
現わしているのでしょうか。
「希望の火」は、一時のあだ花で
終わるのか、歴史を変えるのか?
分からないけど、人生かけたギャンブル
だからやめられない、って言うところも、
スリリングで面白かったです。
次回は、いよいよ、
インド仏教の父と言われる、
アンベードカル博士のお話の予定です!