住職に聴く!インド巡礼(4)

ーー 前回のインタビューで住職は、

ローマ教皇や、ダライ・ラマ法王に謁見し、

「希望の火」に祈りをこめていただいたことで、

”人類を利他の祈りで融合させる”、

「希望の火」の使命がはっきりしたと、

話されていました。

住職: はい。

 

ーー  現在も、いたるところに分断があります。

国、民族、宗教、個人、、。

人類はもう、かなり危機的な状況に

あるのではないかと感じます。

 

住職: 分断はあくまでも結果であって、

むしろ、個人の内面的な危機の方が大きい

と思います。

 

ーー 内面?

 

住職: 多くの人は、魂がすでに死んで

いるか、死にかけていると思います。

 

ーー 魂、ですか。

 

住職: これは生きていることの定義の

問題でもあります。

そもそも、死なないために生きている

のでは、生きていると言えるのでしょう

か? 

多くの人が、恐怖のため、無難に、

保身的に生きている。

これは、「死なないように」生きている

ということだ、と思います。

それでは、身体が動き、言語機能や

認知機能に障害はないけど、

単に肉体が維持されているだけに

過ぎないのではないか。

これと「生命維持装置で死んでいない

状態」と、どう違うのか?

人間の魂が生きていない状態は、

人間として生きていないのと同じでは

ないかと思います。

 

ーー そうですね、、、

そうだと思います。

 

住職: 死んだ魂を復活させる

唯一の方法。

それが、利他に生きることだ、

と僕は思っています。

そして、利他が人を融合させることを

現実として体験できる場を、

ワークショップで提供しています。

それは、利他の祈りだけが、ただ唯一、

人の魂を生き返らせ、人類を融合させる

可能性がある道だからです。

 

ーー 利他に生きること。

住職から、利他の祈りについて

何度かお話をうかがってきました。

その、利他の実践として、

インド巡礼がある(あった)

と理解してよいでしょうか?

ところで、インド巡礼は、その後、

どのように進んでいったのですか?

 

住職: その後、僕は晴れて念願の

タイへ移動し、ちょっと9日間ほど

サボらせて頂きました。

これ、全然、利他じゃないですね。

あはは!

 

ーー ふふっ。

その間、チームの方々は

どうされたのですか?

 

住職: お釈迦さまの生誕地である

ネパールのルンビニに行っていました。

 

ーー 別行動されたんですね。

ルンビニでは何を?

 

住職: そこに常灯されている国連の

助成で設置された「恒久平和の火」と、

「希望の火」の合祀セレモニーなどを

行うためです。

そのセレモニーでは、釈迦族の末裔の方が

火を合祀して下さったそうです。

 

ーー えっ! 釈迦族の末裔の方? 

なんだか、歴史が連なっている実感が

(笑)


恒久平和の火


釈迦族の末裔の方

 


「恒久平和の火」と合祀された「希望の火」とともに

 

住職: 約10日後に、僕はデリーで

チームに合流しました。

そして翌日、ガンジーのひ孫さんである

トーシャガンジーさんと共に、

マハトマガンジーのお墓に常灯されて

いる、永遠の火と希望の火の合祀

セレモニーを行いました。

 

ーー すごい話ですね。

 

住職: ガンジーファミリーの方々は、

「希望の火」にいたく感銘を受けられた

ようです。

別のひ孫の女性からも連絡が来て、

永い間、話し合いました。

また、ひ孫のトーシャガンジーさんも、

共に活動していかれることになりました。

 

ーー ともに活動するというのは、

実際にはどういうことなのですか?

 

住職: トーシャさんには、

「『希望の火』を国連に持って行く

べきだ。僕が仲介する」

と言われていました。

また、「世界には、自然の中で発火して

燃え続けている火が各地にあるから、

人間と自然の融合の象徴として、

それらも採火していくべきではないか」

との提案もされました。

そして「自分も、ぜひこの運動に

加えて欲しい」と。


トーシャガンジーさん(右から二人目)と共に 「永遠の火」と合祀された「希望の火」

 

ーー 希望の火は、何だか本当に、

すごいことになっていますね。



住職: 世界に燃え広がっている感じ

ですね。

あと、これはダライ・ラマの所に出発

する少し前に感じたことなのですが、

ふと、”あ、「希望の火」って今はもう

人の願いを実現するパワーを

持ち始めているんだな”と思いました

 

ーー あ、そうなんですか。

 

住職: アヤシイ話なので、人に言わ

ないで黙っていたんですが(笑)。

アリスも、その2日後ぐらいに電話で

同じことを言い出したので、驚きました。

 

ーー  へぇー!

 

住職: ダライ・ラマの法話会で、

6万人の祈りが込められた後、

「希望の火」のランタンを持って

インドの街を歩いていると、

不思議なことに、何人もの方が、

頭を下げてランタンの端に手で触れ、

その手で自分の頭に触れていくんですね。

 

ーー タイとかで、願いを叶える

仏像に手を触れて、その手で頭に触る、

みたいな感じですか?

 

住職: そうそう、そんな感じ。

それを見た時、出発する前に、

ふと感じたこと(希望の火に宿った、

の願いを実現するパワー)と、

何か繋がるものがあったんです。

それで今、「希望の火」の不思議パワーを

体験して頂くワークショップを行っています。

 

ーー 人類の新しい祈りの象徴として

生まれた「希望の火」が、不思議な力を

持ち始めているんですね。

もしかしたら、そんな歴史の瞬間に

立ち会っているのかも知れない、

と思ったら、何だかワクワクします。

 

住職: いや〜、単に一時のあだ花で

終わるかも知れませんよ。

逆に、もしかしたら、歴史上、

すごいことになるのかも知れませんけど。

さあ、果たしてどっちに転ぶのか。

僕としては、人生かけてギャンブル

やっているみたいで、

楽しくてやめられませんねぇ〜。

 

ーー 人生かけたギャンブルですか! 

ははは! それも凄い話ですね。

その後、ムンバイに向かわれた、

ということですよね。

 

住職: その後のインドの旅路も、

ミラクルの連続でした。

 

ーー へぇ〜! そうだったんですね!

 

ところで、このインタビューの初回で

話されていた、アンベードカル博士は、

どのような方なのですか? 

 

住職: とても、大きな話なので、

次回にしますね。

 

<インタビュー後記>


インドって、底知れないパワーを

感じますね。

住職の話をうかがって、「希望の火」と

インドの出会いは、もしかしたら、

すごい計らいなんじゃないかと思いました。

 

釈迦族の末裔の方、ガンジーのご子孫との

出会い、、、。

 

トーシャガンジーさんの、

自然発火の火を採火していくという

提案にも、驚きました。

 

それも、「希望の火」のスケールを

現わしているのでしょうか。

 

「希望の火」は、一時のあだ花で

終わるのか、歴史を変えるのか? 

分からないけど、人生かけたギャンブル

だからやめられない、って言うところも、

スリリングで面白かったです。

 

次回は、いよいよ、

インド仏教の父と言われる、

アンベードカル博士のお話の予定です!