住職に聴く! タオサンガ篇 (6)

和田寺の住職は、タオ指圧/気心道の創始者、音楽家など、様々な顔を持つ遠藤喨及(りょうきゅう)さんです。

喨及さんにインタビューして、さまざまな質問に答えてもらいます。
一体どんな言葉が返ってくるのでしょうか・・?

遠藤 喨及
東京に生まれ、少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職、タオ指圧/気心道創始者、ミュージシャン、平和活動家、ゲーム発明家など、さまざまな顔を持つ、タオサンガ・インターナショナル代表。 1990年頃より、北米各地、ヨーロッパ各地、中東、オセアニアなどの世界各地で、タオ指圧、気心道、また念仏ワークショップ等を行い始める。 また、それらの足跡によって、世界各地のタオサンガが生まれ、現在、各センターは、仏教の修行道場、タオ指圧*気心道などの各教室、海外援助を行っている。 遠藤喨及個人ブログページもご覧ください。 http://endo-ryokyu.com/blog/

 

ryokyu28

アースキャラバン2016大阪 ライブハウスにて

 

第六回

 

-- 前回の住職の言葉を読みかえしてみました。
‟子どもたちは地球の未来”、ほんとうにそうだと思いました。

住職: はい。

-- おとなである私たちには責任がある。
そのために(責任を負うために)根本にかえってみる必要があると思うのですが、、、。

住職: 根本って何なのでしょう?

-- いや、その根本というのが何なのかさえ、エゴで見えなくなっているような気がするんですよ。

住職: ああ、そうですか、、、、。

-- エゴを自覚する、というのは簡単なことではないと思うのですが・・・?

住職: そうですか? いやー、自分のやっていることがエゴだということぐらい、実はみんな薄々はわかっているんじゃないですかね?
ただ、それに対して“言い訳したり”、“開き直ったり”、または、“自分の我見えていないふりして自分をだましたり”、あるいは“それがどうした”、と正当化したり、、、。そんなことをしているだけじゃないか、と思うんですけど、、、。

-- ああ、そういうことか!

住職: その結果、反省も懺悔もできず、自縄自縛に陥っている、というのが実状ではないでしょうか?

-- なるほどねぇ、、、。

ところでタオサンガセンターは、利他の修行の場として、日本だけでなく世界各地にありますね。

住職: はい。

-- タオサンガの修行の中心は念佛三昧がですが、いわゆる日本の浄土宗の念佛のあり方と、タオサンガにおける念佛のあり方には、大きな違いがあるように感じますが。

住職: それは、明治大正時代に浄土宗で宗教改革を起こそうと活動された山崎弁栄上人の教学を土台としていますからね。

-- でも、住職を見ていると、浄土宗どころか仏教の改革、、、、いやそれすら超えて、宗教そのものを解体していっているようにすら見えるんですが、それは気のせいでしょうか?

住職: はい、気のせいです、なんちゃって(笑)。
そもそも宇宙大霊を直接体験すれば、それまでイメージしていた「宗教」という枠は、解体されていくのが自然なんです。宗教は解体されてこそ、生きたものになるんですよ。そうでなければ、形骸化されたスピリット(いのち)のないものになってしまうんです。

-- 以前の法話でも、「お釈迦さま、イエスさま、法然上人は、いずれも宗教を創った人ではなく、既存の宗教を壊した人たちなんです。」とお聞きしました。

住職法話ライブ:タイトル「人生を輝かす空の世界」at 京都道場 の書き起こし。
https://docs.google.com/document/d/11snLUoSxCzfeVqGYFZaSUg1Um9P4NWSjENASSTPPAQY/edit

 

住職: はい。だから僕は、”宗教なんてインチキだ” という人に対して、“そうそう!”って、平気で賛成するんです。(笑)

-- 住職は、アースキャラバンの「異宗教融合ソング」を作られました。さらにタオサンガでは、南無阿弥陀仏と一緒に、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、神道など、異宗教、異宗派の人たちが、それぞれの神さまの名前を同時に唱える、「異宗教融合修行」まで始められました。

住職: はい。

-- 私は、“えー! これもあり!? これがありなら、凄いことだけど(楽しいことだけど)、こんなことして大丈夫なんだろうか?”などと、考えてしまいました。

住職: 薬だって、一応人体実験しますよね。

--はい。

住職:同じように僕も、修行方法を人にお勧めする前に、自分自身でいろいろな神さまの名前を唱えて念仏したりなどしていました。言わば、試行錯誤しながら、三昧実験をやっているんです。

-- ああ、そうだったんですか?

住職:もちろんそうですよ。霊的に間違いがないかどうかを、自分で試していますよ。

-- 霊的に間違いないって、どうしてわかるんですか?

住職: 基本は、体感ですね。霊的にやばいと、それなりの体感でわかりますから。

--そうなんですか?

住職:ただし、例えば、甘くて美味しい砂糖を食べると、あとで身体が悪くなるように、体感的には妙に気持よいけどヘンで、実際には霊的に問題あり、という場合もあります。そこは、気をつけなきゃならないですけど、、、。

--なるほど、、、。

住職:だから何ごとも、すべて慎重に進めています。例えば、音楽念仏を公式に行うようになるまでに、10年以上、思索や実験を重ねていたんです。和文で唱える部分の内容については、25年以上の思索を続けた上で、表に出したものなんです。

-- へぇー!!  

住職: 異宗教融合念仏については、比較的短期間の試行錯誤でしたけど。例えば、阿弥陀様の姿をイメージしながら他の神さまの名前を唱えるのと、南無阿弥陀仏を唱えるのとでは、どのように効果の違いがあるのか? そんなことを毎日自分が行じながら、確認作業を続ていたんです。その上で、みなさんにもやって頂くようになったのです。

-- そうだったんですか、、、。

住職: タオサンガの修行方法に、万が一でも霊的な間違いがあったら、それは皆さんを間違った道に入れてしまったということですから、大変なカルマを造ることになります。

-- 、、、。

住職: それだけでなく、修行者自身も、間違った道に進んだ、というカルマを造ることになってしまう。しかしその場合は、それらのカルマのすべてを僕自身の責任として引き受け、決して他の人には負わせず、自分ひとりが地獄に堕ちる覚悟を決めた上で、最終的にはお勧めしているのですけど、、、。

-- ああ、そうだったんですか、、、? 何だか、軽く考えていた自分が恥ずかしいです、、、。

住職: 気にしなくていいですよ。みなそれぞれ役割があるんだから。

-- タオサンガの異宗教融合念仏って、音楽的なメロディーに乗せて、南無阿弥陀仏と同時に、“ナム・ジーザス(イエス)”とか、“ナム・アッラー”を他の人たちが唱えるのですが、実際にやってみると違和感ないんですよね。

住職: そうそう。かえって念仏が深まったりして、面白いですね。

-- “もしこれが世界に広まったら”と想像すると、まさに宗教革命だと思うんです。宗教間の争いなど、過去の話になって、、。そうなったら世界は一変しますね。

住職: それもこれも、弁栄上人が後世の私たちのために道を付けて下さったもの。僕はそう思って、感謝しています。

tokudo

トロントの和田寺タオサンガ・センターで行われた得度式の後で

 

インタビュー後記

以前、住職は、いま私たちが岩波文庫などで数百円で購入出来るお経の本を手にできるのは、命がけでお経を求めて旅したひとたちのお陰なのだとおっしゃったことがありました。
また、「霊的に間違いがないかどうか・・・?慎重に進める。」とおっしゃるタオサンガのお念佛も永い時間をかけて実験され思索を深められたものであることをうかがうと、単に自分の知的好奇心を満たすためや、自分の悟りのただけにとどめていてはならないと思いました。
私はいつでも住職の言葉を聞いていると、たましいをふるわせて生きようよ!と言われているような気がするのです。
とくに、最近のこのブログは、、ロックです!
(「世間に魂を売り渡してたまるもんか」)
http://endo-ryokyu.com/past_blog/?p=11025