希望の火、インド巡礼(2)
ーー 前回に続きまして今回も、
インド巡礼についてお話を聞かせて
ください!この一ヶ月間、この日を、
すごーく楽しみにしていました。
住職: そうですか。
ありがとうございます。
ーー どこから聞けばよいのかわからない
のですが、、まずは、ダライ・ラマ法王
からでしょうか?
どうやって、謁見まで漕ぎつけたの
ですか?
住職: 前回、申し上げたように、
最初は謁見までの道筋が全く見えなかった
んです。
それで、まずはダライ・ラマ法王、
及びチベット亡命政権の代表機関である、
ダライ・ラマ東京事務所に行って、
アリア大使に祈りを込めて頂きました。
ーー はい、そうでしたね!
住職: その席で、「キリスト教の
象徴的存在であるローマ教皇に祈りを
込めてもらったので、ぜひ、仏教の
象徴的存在であるダライ・ラマ法王
にも祈りを込めて頂くことを願って
います。」とお伝えしました。
ーー はい。
住職: そうしたら、ダライ・ラマ法王も
ご高齢で、直接お目にかかることは大変、
難しい。でも、亡命政府の本部である
ダラムサラ(インド)の方に申請して
みたらどうか、というアドバイスを頂き
ました。
ーー そうですか。
住職: そこで、
”申請の仕方を教えて頂けないで
しょうか?”
とお願いしました。
“数年前に本部とやり取りして
うまく行かなかったのは、
おそらく、申請の仕方に、
何か問題があったのだろう”
と思ったので……。
ーー なるほど。
そういう経緯があったんですね。
それで、ご返事は?
住職: ご快諾頂きました。
それで、えいこさんが毎月、東京に行く
たびに、ダライ・ラマ東京事務所に
お伺いし、色々と教えて頂きながら、
申請を進めて行くことになったんです。
ーー 毎月伺ったんですね。
ダライ・ラマ東京事務所に月参したえいこさん
住職: そもそもダライ・ラマ法王が
どこに滞在されているのかは、全く
霧の中でした。
ネットで調べても、外部には発表されて
いませんでしたし。
ーー 秘匿されているのですね。
いろんな事情があるのでしょうね。
住職: 「会える可能性がある場合は、
居場所をお教えします」というお話し
でした。
ーー はじめから、とんとん拍子で話が
進んだというわけではなかったんですね。
住職: いつものことですが、
全てのプロジェクトにおいて、
とんとん拍子に話が進むことは、
まずないです。(笑)
ーー なるほど!
住職: えいこさんのダライ・ラマ
東京事務所通いが何ヶ月か続いた後、
突如、「ダライ・ラマ法王は年末から、
ブッダガヤ(お釈迦様が悟りを開かれた
場所)にいらっしゃいます。
そして、そこで3日間の法話会を
やることになっていますので、
皆さん行かれると良いですよ」
と教えて頂きました。
ーー つまり、会える可能性が出てきた
ということなんですね。
住職: アリア大使からも、
「これは、ちょうど良いタイミングだと
思います。一番会える可能性が高いです」
と言われました。
お釈迦さまが悟りをひらかれたブッダガヤの菩提樹
ーー ブッダガヤですか?
急展開ですね。
住職: 当初の予定では、デリーで集合。
ガンジーの火との合祀セレモニーを終えた
後、えいこさん達3人がダライ・ラマ法王
がいるであろうダラムサラに。
僕やその他のメンバーは、他の地域を巡る、
という計画だったんですね。
ーー はい。
住職: ただ、困ったことに…….
ーー え?
何か不都合なことが・・?
住職: デリー集合は1月10日なので、
全員がすでに1月上旬の航空チケットを
購入していたんですよ。
ーー オーマイガ(笑)
住職: 会えるかも知れない
ダライ・ラマ法王のいるブッダガヤに、
年末に行くとなると、チケットを購入し
直さなければならない…….
ーー 悩ましい、、
住職: えいこさんが全く躊躇なく
チケット変更するのは、わかりました。
しかしまあ、僕としても
「可能性があるのに、それに賭けない」
というのは人生ポリシーの中にないので…….
ーー なるほど。
住職: ここまで来たからには、
何としてでも現実にしたいと思いました。
そこで思い切って、”「希望の火」を持って
ダライ・ラマ法王の所に出発します!”
という記者会見をすることにしました。
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プレスリリース / 報道関係者各位
ローマ教皇から、ダライ・ラマ法王へ
ー被爆国日本で生まれた『希望の火』が、両者の平和の祈りを繋ぐー
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12月29日〜31日にダライ・ラマ法王猊下が、インド各地のチベット仏教の高僧を、インド・ブッダガヤ(釈尊が悟りを開いた地)に集めて行う、特別な行事があります。 |
『希望の火』運動を展開するNPO法人アースキャラバンは、その行事において、2019年のローマ教皇の来日ミサでも灯された『希望の火』を灯して頂き、またダライ・ラマ法王猊下と高僧の方々に平和の祈りを込めて頂くため、12月26日、日本を出発します。
記者会見日時:2022年12月20日(火)15時〜
場所:ダライ・ラマ法王日本代表部事務所(東京都新宿区西落合3-26-1) |
ーー 確認ですが、可能性はあるけど、
まだ確約はなかったんですよね。
住職: そうなんですが、
このプレスリリース(新聞社に送る情報)
をダライ・ラマ東京事務所に送って
相談したんですよ。
ーー おっ…….!
住職: そうしたら、”ダライ・ラマ法王
の写真が入ったものと、入っていないもの、
両方を本部に送りましょう。
ダライ・ラマ法王に会える可能性がある
場合は、写真入りのものがOKされるでしょ
う”と言ってくれ、本部に打診して下さいました。
ーー 親切ですねー。
住職: はい、
本当にお世話になりました。
ーー そして、本部からは?
住職: OKが出たんです。
ーー おお!
ーー ということは、
会える可能性がでてきた・・?
住職: 確約はないものの、
そう思うしかないですよね。
ーー 賭けみたいなものですね。
住職: 出発の数日前だったけど、
これをメディアに送ったところ、
読売新聞含めて4社が来てくれました。
ーー いよいよ、引くに引けないですね。
可能性があるとは言うものの、
まだ「確実に会える」という段階では
ないんですよね。
それにしても、ずいぶん、
大胆なことをされましたね。
住職: いつも綱渡りですね。
ーー そうなんですか!
住職: 実は、その2週間ぐらい前から、
”あ、もう「希望の火」自体が霊的な力を
持って、我々を導いているようになったな”
と思ったんです。……
何だかわからないけど。
ーー そうなんですか……。
住職: それまでは、
”僕たちが育てて行かなければ消えて
しまう。だから、絶やさないように
しなくては。”という感じでした。
こちらが頑張って守り、
主導している感じだったんです。
ーー なるほど。
住職: それが、僕らが進んで行くべき道
を「希望の火」が主導するようになった、
と感じたんです。
ーー 暗闇の灯火のようなものですかね。
住職: ”安心して「希望の火」に
任せていれば、道は開けて行くな”、
と感じるようになりました。
ーー 不思議ですね。
住職: 面白いことに、数日後、
”実際、会えるのかなぁ”なんてアリスと
話していたとき、彼女もそんな風に感じた
と言っていました。
ーー そうなんですね。
住職: 記者会見は、
何と出発の2日ぐらい前だったかな。
もう、超スピードで、諸々の準備を
しましたよ。
”まあ、行ったら何とかなるだろう”
という、不思議な気持ちでした。
ー続くー
<インタビュー後記>
ローマ教皇のときもそうでしたが、
住職に話を聞いていると、いつも、
のるかそるかの状況の中を進んでいるよう
に感じます。
(時々、心臓に悪い/笑)
そのような中では、詰めるところは詰めて
準備し、じっと耐えて待たなければなら
ないことも、多々あるでしょう。
住職のお話を聞いていると、ものごとを
実現させていく道の学びになると
思いました。
さて、「希望の火」が主導するように
なったというお話は、特に興味深く伺い
ました。
「希望の火」に込められているのは、
「祈り」の氣……。
祈るという、人間の根源的な行為で、
世界や人のこころを、明るい方向に
向かわせるのが「希望の火」
なのだろうか….。
ふと、そんな風に感じました。
さあ、次号は、いよいよインド上陸で
しょうか?
お楽しみに!!