住職に聴く!インド巡礼(6)

ーー 前回、インドでほとんど滅んでいた

仏教復興の口火を切った、

アンベードカル博士のお話しを伺いました。

 

住職: はい。

 

ーー カースト制度と闘った博士の偉業に

驚きました。

 

そして現在も尚、カースト差別の非人間的

な状況が続いていることにも驚きました。

 

住職: 実態を聞くと驚きますよね。


ーー その後のインド巡礼は、

どうなったのですか?

 

住職 :  インド仏教の最高指導者が、

日本人僧侶・佐々井秀嶺上人である

ことを、何年か前から聞いていまして、、、、

 

ーー  うわっ。日本人の僧侶が!?

 

住職: それで、

「佐々井上人に祈りを込めて頂こう」

と希望の火を携えて、上人在住の

ナグプールに向かいました。

 

ーー アポイントは取っていたんですか?

 

住職: いや〜、出発する2、3ヶ月前に

手紙は出していたんですけどねぇ。

 

返事がなかったし、

どうしようかなぁ……

とは思っていたんです。

 

ーー はい。

 

住職: でも、せっかくだからと思って、

ブッダガヤで雇ったドライバーの

バブルーに相談したんです。

 

そうしたら、ナグプール在住の仏教徒で、

佐々井上人を知っている人を探してくれ

たんですね。

 

ーー そんな人が、

よく短時間で見つかりましたね〜!

 

住職: ご縁には、本当に恵まれました。

しかも、その人と電話で話したら、

何と!空港まで迎えに来てくれるし、

佐々井上人のところまで連れていってくれる、

と言うではないですか! 

 

僕は、喜んでお願いしました。

 

ーー それは、すごい! 

何ともありがたい話ですね。

 

住職: ムンバイで数日間、

活動したあと飛行機に搭乗しました。

 

そして、ナグプールに到着したのは、

夜遅くです。

 

空港で待っていてくれたのは、

佐々井上人を子どもの頃から

知っているという、

アミットさんでした。

 

ーー ヘェ〜!

 

住職: 後でわかったのですが、

アミットさんは、佐々井上人が居住する、

インドラ寺院の事務局長だったんです。

 

彼は、佐々井さんのことを書いた本には、

よく登場しますね。

 

ーー そんな佐々井上人に近しい人が、

迎えに来てくれたんですね! 

 

住職: アミットさんは、2台の車で

迎えに来てくれました。

 

そして僕ら一行を、レストランに連れて

行ってくれ、気前よくご馳走してくれたん

です。


〈左側 住職のとなりがアミットさん〉

 

ーー 初対面で? 

なんだか、アミットさんという方は、

すごくいい人なのではないですか?

 

住職: はい。それで、

予約していたホテルに行ってみたら、

何と休業してたんです。

 

深夜のナグプールで、僕らは立ち往生

してしまいました。

 

ーー はあ、、

そんなことが?休業ですか? 

困りましたね。

 

住職: アミットさんは、僕らを連れて

奔走してくれました。

 

そして、やっと泊まれるホテルに

入ることができたんです。

 

ーー いや〜、とても親切な方ですね!

 

住職: さらに、ホテルでチェックイン

する時、何と全員のホテル代まで払おう

としました。

 

ーー え〜!?

 

住職: 僕は、アミットさんを後ろから

はがいじめにして、払わないように

させなくてはなりませんでした。

 

ーー なんと、まあ!

 

住職: 翌朝、アミットさんは僕らを

ホテルまで迎えに来てくれ、

朝食に連れて行ってくれました。

 

その間、何度か佐々井上人から、

アミットさんに電話が入っていました。

 

ーー それは?

 

住職: 「僕ら一行はいつ着くのか?」

という電話のようでした。

 

ーー そうなんですか……

 

住職: その後、僕らの分まで、

あっと言う間に支払ったアミットさんと、

佐々井上人の所に向かいました。

 

ーー 何とまあ…….

 

住職: 実は僕らは、佐々井上人が

エラそうで恐い感じの人だったら

どうしよう〜、

なんてちょっと心配していたんです。

 

ーー そうですよね。 

 

住職: 車がインドラ寺院の前に

着きました。

 

何と、降りてみたら、佐々井上人は、

道端に座って待っているでは

ありませんか!? 

 

僕らを待ちきれずに、

道端にまで出て来られたようでした。

 

ーー 外に出て待っていらしたんですか!?

 

住職: 佐々井上人の無邪気な笑顔を

見た僕らは、衝撃を受けました。

 

ーー どうしてですか?

 

住職: 「恐い人だと思っていたのに、

こんな子どもみたいな笑顔をする人

だったんだ〜」

というのもありましたし、

”やっぱり本物はこうだよねぇ〜”

というのもありました。

 

ーー それくらいに、佐々井上人の笑顔は

可愛かったのですね。

 

 

住職: 案内された本堂で、

佐々井上人に、”般若心経を唱えよう”と

言われました。

 

それで、一行7人全員で、

佐々井上人と般若心経を唱和しました。

 

ーー わー、すごい。

インド仏教との融合ですね!

 

住職: 4人の外国人も含めて、

全員が般若心経を暗唱したものだから、

佐々井上人はちょっと驚いたようでしたね。

 

ーー それは、驚くでしょうね!

 

住職: その後、一室に案内され、

しばらく話をしました。

 

そして、希望の火への祈りと

メッセージをお願いしました。

 


〈祈りを込める佐々井上人〉

 

ーー はい。

 

住職: 圧巻でした。

それは、まるでリアルな

昭和の映画の中にいるようでした。

 

さらに驚いたのは、希望の火の本質を

的確に捉えておられることでした。

 

 

 

インタビュー後記


2019年、ア―スキャラバンがバチカンの
ローマ法王に「原爆の残り火」を吹き消し
ていただいてから、4年。
住職に聴く!バチカン編

その後、「希望の火」が、
生まれました。


そして、昨年末から今年1月にかけての、
「希望の火」インド巡礼の話を、
毎月聴いてきました。


住職のお話を聴いてきて、
この「希望の火」の意味は、とても
大きいものだと感じるようになりました。
全人類的な意味がある、そんな気がします。


今回は、ドライバーを通して、
ナグプールのアミットさんという方に
つながり、その方が、なんと、
佐々井上人が居住する、
インドラ寺院の事務局長だった!とは!

そんなことがあるんですね!

インド仏教最高指導者の佐々井上人との
出会いは、とても明るい未来を予感する
お話しで、わくわくしました。


次号、お話しの続きが楽しみです(^-^)