ーー 前回、インドでほとんど滅んでいた
仏教復興の口火を切った、
アンベードカル博士のお話しを伺いました。
住職: はい。
ーー カースト制度と闘った博士の偉業に
驚きました。
そして現在も尚、カースト差別の非人間的
な状況が続いていることにも驚きました。
住職: 実態を聞くと驚きますよね。
ーー その後のインド巡礼は、
どうなったのですか?
住職 : インド仏教の最高指導者が、
日本人僧侶・佐々井秀嶺上人である
ことを、何年か前から聞いていまして、、、、
ーー うわっ。日本人の僧侶が!?
住職: それで、
「佐々井上人に祈りを込めて頂こう」
と希望の火を携えて、上人在住の
ナグプールに向かいました。
ーー アポイントは取っていたんですか?
住職: いや〜、出発する2、3ヶ月前に
手紙は出していたんですけどねぇ。
返事がなかったし、
どうしようかなぁ……
とは思っていたんです。
ーー はい。
住職: でも、せっかくだからと思って、
ブッダガヤで雇ったドライバーの
バブルーに相談したんです。
そうしたら、ナグプール在住の仏教徒で、
佐々井上人を知っている人を探してくれ
たんですね。
ーー そんな人が、
よく短時間で見つかりましたね〜!
住職: ご縁には、本当に恵まれました。
しかも、その人と電話で話したら、
何と!空港まで迎えに来てくれるし、
佐々井上人のところまで連れていってくれる、
と言うではないですか!
僕は、喜んでお願いしました。
ーー それは、すごい!
何ともありがたい話ですね。
住職: ムンバイで数日間、
活動したあと飛行機に搭乗しました。
そして、ナグプールに到着したのは、
夜遅くです。
空港で待っていてくれたのは、
佐々井上人を子どもの頃から
知っているという、
アミットさんでした。
ーー ヘェ〜!
住職: 後でわかったのですが、
アミットさんは、佐々井上人が居住する、
インドラ寺院の事務局長だったんです。
彼は、佐々井さんのことを書いた本には、
よく登場しますね。
ーー そんな佐々井上人に近しい人が、
迎えに来てくれたんですね!
住職: アミットさんは、2台の車で
迎えに来てくれました。
そして僕ら一行を、レストランに連れて
行ってくれ、気前よくご馳走してくれたん
です。
〈左側 住職のとなりがアミットさん〉
ーー 初対面で?
なんだか、アミットさんという方は、
すごくいい人なのではないですか?
住職: はい。それで、
予約していたホテルに行ってみたら、
何と休業してたんです。
深夜のナグプールで、僕らは立ち往生
してしまいました。
ーー はあ、、
そんなことが?休業ですか?
困りましたね。
住職: アミットさんは、僕らを連れて
奔走してくれました。
そして、やっと泊まれるホテルに
入ることができたんです。
ーー いや〜、とても親切な方ですね!
住職: さらに、ホテルでチェックイン
する時、何と全員のホテル代まで払おう
としました。
ーー え〜!?
住職: 僕は、アミットさんを後ろから
はがいじめにして、払わないように
させなくてはなりませんでした。
ーー なんと、まあ!
住職: 翌朝、アミットさんは僕らを
ホテルまで迎えに来てくれ、
朝食に連れて行ってくれました。
その間、何度か佐々井上人から、
アミットさんに電話が入っていました。
ーー それは?
住職: 「僕ら一行はいつ着くのか?」
という電話のようでした。
ーー そうなんですか……
住職: その後、僕らの分まで、
あっと言う間に支払ったアミットさんと、
佐々井上人の所に向かいました。
ーー 何とまあ…….
住職: 実は僕らは、佐々井上人が
エラそうで恐い感じの人だったら
どうしよう〜、
なんてちょっと心配していたんです。
ーー そうですよね。
住職: 車がインドラ寺院の前に
着きました。
何と、降りてみたら、佐々井上人は、
道端に座って待っているでは
ありませんか!?
僕らを待ちきれずに、
道端にまで出て来られたようでした。
ーー 外に出て待っていらしたんですか!?
住職: 佐々井上人の無邪気な笑顔を
見た僕らは、衝撃を受けました。
ーー どうしてですか?
住職: 「恐い人だと思っていたのに、
こんな子どもみたいな笑顔をする人
だったんだ〜」
というのもありましたし、
”やっぱり本物はこうだよねぇ〜”
というのもありました。
ーー それくらいに、佐々井上人の笑顔は
可愛かったのですね。
住職: 案内された本堂で、
佐々井上人に、”般若心経を唱えよう”と
言われました。
それで、一行7人全員で、
佐々井上人と般若心経を唱和しました。
ーー わー、すごい。
インド仏教との融合ですね!
住職: 4人の外国人も含めて、
全員が般若心経を暗唱したものだから、
佐々井上人はちょっと驚いたようでしたね。
ーー それは、驚くでしょうね!
住職: その後、一室に案内され、
しばらく話をしました。
そして、希望の火への祈りと
メッセージをお願いしました。
〈祈りを込める佐々井上人〉
ーー はい。
住職: 圧巻でした。
それは、まるでリアルな
昭和の映画の中にいるようでした。
さらに驚いたのは、希望の火の本質を
的確に捉えておられることでした。
インタビュー後記
2019年、ア―スキャラバンがバチカンの
ローマ法王に「原爆の残り火」を吹き消し
ていただいてから、4年。
住職に聴く!バチカン編
その後、「希望の火」が、
生まれました。
そして、昨年末から今年1月にかけての、
「希望の火」インド巡礼の話を、
毎月聴いてきました。
住職のお話を聴いてきて、
この「希望の火」の意味は、とても
大きいものだと感じるようになりました。
全人類的な意味がある、そんな気がします。
今回は、ドライバーを通して、
ナグプールのアミットさんという方に
つながり、その方が、なんと、
佐々井上人が居住する、
インドラ寺院の事務局長だった!とは!
そんなことがあるんですね!
インド仏教最高指導者の佐々井上人との
出会いは、とても明るい未来を予感する
お話しで、わくわくしました。
次号、お話しの続きが楽しみです(^-^)