「随喜(ずいき)」がもたらした幸せ
35歳にして、大手企業の重役をつとめてい
たキャリア・ウーマンのPさんは、不妊に悩
んでいました。
ご主人とともに考えられる限りの手を尽くし
たそうですが、妊娠にはいたらなかったとい
うことでした。
話を聞いていくうちにわかったのは、
彼女は自分のキャリアに相当の執着がある
ということでした。
また、全てが自分の思うようにいかないと気
がすまないという、性格的な傾向もありまし
た。
さらに、子供を持つ、しあわせそうなカップ
ルを見ると、ひどく嫉妬心を起こすというこ
とも話してくれました。
![](https://taosangha.com/wp-content/uploads/2018/11/秋のこもれび-300x200.jpg)
施術をはじめるに当たって私からアドバイス
をしたことがありました。
それは、嫉妬心を起こしそうになったとき
に、逆にその相手の感じている幸せを、
そのまま自分の幸せとして感じようとする
こと、です。
すなわち「随喜」※の実践でした。
※他の喜びをわが喜びとすること
治療を重ねていくにしたがって、彼女は全て
をコントロールしなくては気がすまなかった
性格を、徐々にといていきました。
気に沿わないことも受け止められるように
なってきたのです。
さらにまた「随喜」とともに、一瞬一瞬を
もっと楽しみ、感謝の気持ちをもつことも、
実践していったのです。
数ヵ月後、彼女は妊娠し、治療は出産まで
続けられました。
その後、彼女は続いて2人目を妊娠し出産
したそうです。
そして、仕事のほうはキャリア・ウーマン
からパートタイマーに転身。
そのせいか(?)現在は家族も含めて幸せに
暮らしているという話です。
記/ Alfred Müller
(オーストリア/ウィーン)