和田寺の住職は、タオ指圧/気心道の創始者、音楽家など、様々な顔を持つ遠藤喨及(りょうきゅう)さんです。
喨及さんにインタビューして、さまざまな質問に答えてもらいます。
一体どんな言葉が返ってくるのでしょうか・・?
遠藤喨及 東京生まれ。少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職の他、タオ指圧/気心道創始者、作曲&演奏家、海外支援や平和活動を行うNPOアースキャラバン代表、ゲームCHATRANGA考案者等、多才な活動で知られている。
90年の初頭から現在に至るまで、北米各地、ヨーロッパ各地、中東(イスラエル、パレスチナ)、オセアニアなど世界各地でタオ指圧、気心道、また仏教ワークショップを行っている。
またその足跡によって、世界10カ所にタオサンガが生まれ、各センターで、タオ指圧の施術と指導や念佛修行、海外支援活動などが行われている。
遠藤喨及個人ページ http://endo-ryokyu.com/
アースキャラバン2019
人類初の試み、「希望の火」プロジェクト
ーー 今年3月20日のNPOアースキャラバン
のローマ法王謁見は、今後の活動に
どのような意味がある、と思われますか?
住職: どのような意味があるかは、
あとでわかることかも知れません。
とりあえず、実現できてホッとした、
というのが正直なところです。
ーー 実現できてホッとした、
というのは?
住職: アースキャラバンも
和田寺タオサンガ道場も、
それで世界が良くなるなら
面白いことを何でもやろう、
ということでやっています。
ーー ああ、そうなんですか。
住職: 要は、仏教の唯識の
実践なんです。
ーー 唯識って言葉はなんだか
難しそうですが、、。
世界がよくなることなら、
面白いことは何でもやろう、
ということが唯識の本質なら、
すごいですね!
実践を通して住職が伝えたいことは
何ですか?
住職: 想いによってものごとは
実現できるし、世界も変えられる、
ということです。
それを実証して見せて、
みんなに人生や世界に希望を
持ってもらいたいのです。
ーー 想いが実現するって本当なのか
どうかわからない、と思っている人は
けっこういるのではないかと思います、、。
その実感がなければ、結局は言葉遊びで
しかないんじゃないかって、、。
住職: 「世界はイメージによって
できている」
という唯識が真理だということを、
アースキャラバンで証明したい。
僕はそう思っているんです。
ーー “念ずれば華開く”、
”想いは何でも実現する”、
って聞きますけど、
“そんなの誰でも
できることじゃないよね”って、
思う人も多いと思います。
住職: ローマ法王謁見だって、
実現するかどうかなんて
全く分からなかったんです。
普通に考えたら、
限りなく0%に近かったかも知れません。
※住職に聴く!バチカン篇
https://taosangha.com/2019/04/01/juusyokunikiku-201904/
ーー ほんとそうですね。
普通は”そんなの無理に決まってる”
って最初から諦めます。
でも、住職の言葉を聞いて、
純粋な思いは強いんだなってことも
感じました。
住職: ”これでみんなに、
未来に対してもっと
希望を持ってもらえるなあ”
と、そう思ってホッとしたんです。
ーー 和田寺道場とアースキャラバンの
共通のコンセプトはそこにあったのですね。
住職: 他にも
「他者の幸福への無責任性という
エゴを克服してこそ世界は良くなる」
っていうのもあります。
ーー ヘレン・ケラーも
同じことを言っていますね。
住職: 「他者の苦しみに寄り添うことこそ
が、世界に平和をもたらす」
っていうのもそうです。
ーー アースキャラバンは、
単なる平和活動ではないんですね。
住職: そもそも僕は、平和とか愛とか
そういう言葉って苦手なんですよねー。
”平和、平和”って騒いだって、
平和になるわけじゃないし、、、。
ーー わかる気がします。
住職: 人の苦しみに無関心だったり、
無責任に場を暗くする人とか、
人を緊張させるような人に、
「愛と平和」(LOVE & PEACE)って
言われてもねー。
ーー そういう人に、愛と平和なんて
言われれば言われるほど、
用心深くなります(笑)。
住職: ふふふ。
ーー ところで、
アースキャラバンの活動ですが、
バチカンでは、ローマ法王に
原爆の残り火を、
”核や武器の廃絶“の象徴として
吹き消して頂いたわけです。
住職: はい。
ーー 今後はどうされて行くのですか?
住職: そうですね。
次は、世界の宗教者たちに
協力してもらうことで、
人類が一緒に創っていける
プロジェクトをしようかな、と。
ーー それは、どんなものですか?
住職: 過去の悲惨さの象徴である
原爆の残り火を、人類共通の平和の
祈りを込めた「希望の火」に
変容させる、というものです。
ーー 具体的には、
どんなことなんですか?
住職: まず今年の秋、
被爆地である浦上天主堂に
広島原爆の残り火を灯し、
人々に平和を祈って頂きます。
ーー はい。
住職: その後、その火と共に、
全国の様々な宗教施設を
自転車で巡り、各地で様々な人々に
祈りを込めて頂きます。
そして、東京で行われるローマ法王の
ミサで火を灯して頂くためにお届けします。
ーー へぇー!
住職: さらに来年には、
イエス様が生まれたベツレヘム
(パレスチナ自治区内)の教会に灯し、
その後も世界を巡って、人類の平和への
祈りを加えて行こうかな、と。
ーー 壮大な構想ですね!
住職: ありがとうございます。
とりあえず、「希望の火」プロジェクトって
呼んでます。
インタビュー後記
70年以上前に広島に投下された
原爆の残り火が存在しているということを
数年前アースキャラバンを通して
初めて知った時は、驚きました。
その火をパレスチナまで運んだ
ドキュメンタリ―映画
『BE FREE~原爆の残り火をパレスチナへ~』
を観てさらに数年が経ち、
アースキャラバンの活動の芯に
あるものが何なのか、
いつもそれが知りたいと思っていました。
「平和とか愛とかそういう言葉って
苦手なんですよねー」と話される住職が、
ローマ法王謁見が実現したことで
「これでみんなに、未来に対してもっと
希望を持ってもらえるなあ、と」と言われる。
「希望」がどれほど大切なものか、
住職はきっとご存知なのだろうと思います。
今回住職から聞いた、
世界の宗教者たち、いや人類みんなが
協力し合うことで創るプロジェクト。
このプロジェクトが本当に実現したら、
それは、私たちは歴史が覆る瞬間に
立ち会うことになるのではないか、、、。
そう思って、鳥肌が立ちました。